学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ25A089

理由で解く 柔道整復師

QJ25A089 運動学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問89
問題
開口に働く筋はどれか。
選択肢
1 側頭筋
2 咬筋
3 外側翼突筋
4 内側翼突筋
解答
正解3(外側翼突筋)
解説

咀嚼筋4つのうち、開口(下顎の下制)に働くのは外側翼突筋だけです。正答は3です。

咀嚼筋は側頭筋・咬筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つで、いずれも三叉神経第3枝(下顎神経)の支配を受けます。このうち3つ(側頭筋・咬筋・内側翼突筋)は下顎を引き上げる閉口筋で、外側翼突筋だけが例外的に開口に働きます。外側翼突筋は下顎頭と顎関節の関節円板に付着しており、左右が同時に収縮すると下顎頭と関節円板を関節結節に向けて前下方へ引き出し、開口の初期を作ります。その後、舌骨下筋群(胸骨舌骨筋・肩甲舌骨筋など)が舌骨を下方に固定し、これを支点として舌骨上筋群(顎二腹筋・顎舌骨筋・オトガイ舌骨筋など)が下顎を引き下げ、さらに下顎自体の重さも加わって開口が完成します。「4つのうち3つが閉口、1つだけ開口」という構図と、開口には咀嚼筋以外に舌骨上筋群・舌骨下筋群も参加するという2点を押さえると得点源になります。

✗ 1. 該当しない
側頭筋
閉口筋です。側頭窩から起こり下顎骨の筋突起に停止して下顎を引き上げます。後部の線維は水平に近く走るため、前方へ出た下顎を後方へ引き戻す働きも担います。
✗ 2. 該当しない
咬筋
閉口筋の主力です。頬骨弓から起こり下顎枝外面の咬筋粗面に停止し、強い噛みしめの力を生み出します。頬に手を当てて歯を食いしばると硬く盛り上がるのがこの筋です。
✓ 3. 正しい
外側翼突筋
咀嚼筋のなかで唯一の開口筋です。下顎頭および関節円板に付着し、左右同時収縮によってこれらを関節結節へ向けて前下方へ引き出すことで開口の初期を担います。片側だけが収縮すると下顎は反対側へ動き、食物をすりつぶす側方運動が生まれます。
✗ 4. 該当しない
内側翼突筋
閉口筋です。翼突窩から起こり下顎枝内面の翼突筋粗面に停止し、外側の咬筋と内外から挟み込むように下顎を挙上します。名前が似ている外側翼突筋とは作用が正反対なので、対にして確認しておきましょう。
ポイント
  • 咀嚼筋は側頭筋・咬筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つで、すべて下顎神経(三叉神経第3枝)支配。
  • 閉口=側頭筋・咬筋・内側翼突筋/開口=外側翼突筋。「翼突筋は内が閉じ、外が開く」と対で覚える。
  • 外側翼突筋は下顎頭と関節円板に付着し、前下方へ引くことで開口を始動させる。
  • 開口では舌骨下筋群(胸骨舌骨筋など)が舌骨を下方に固定し、これを支点として舌骨上筋群(顎二腹筋など)が下顎を引き下げる。下顎自体の重さも加わって開口が完成する。
  • 外側翼突筋の片側収縮は下顎を反対側へ動かし、側方のすりつぶし運動をつくる。
比較表
作用付着の要点
側頭筋閉口(挙上)+後方への引き戻し側頭窩→筋突起
咬筋閉口(挙上)の主力頬骨弓→咬筋粗面(下顎枝外面)
内側翼突筋閉口(挙上)+側方運動翼突窩→翼突筋粗面(下顎枝内面)
外側翼突筋開口(下制)+前方移動・側方運動下顎頭・関節円板
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