学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §8 尿の生成と排泄 / QJ25A073

理由で解く 柔道整復師

QJ25A073 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問73
問題
クリアランスが糸球体ろ過量の指標となるのはどれか。
選択肢
1 尿素
2 イヌリン
3 グルコース
4 パラアミノ馬尿酸
解答
正解2(イヌリン)
解説

糸球体で自由にろ過され、尿細管で再吸収も分泌もされない物質のクリアランスは、そのまま糸球体ろ過量(GFR)を表す。その条件を満たすのがイヌリンである。

クリアランスとは「1分間あたり何mLの血漿からその物質が完全に取り除かれたか」を示す量で、(尿中濃度×尿量)÷血漿濃度で計算する。イヌリンは植物由来の多糖で体内で代謝されず、蛋白と結合しないので糸球体を自由に通過し、その後の尿細管では一切やりとりされない。したがって尿に出てきた量=ろ過された量となり、クリアランス(成人で約120mL/分)がGFRそのものになる。ただし持続点滴が必要で手間がかかるため、臨床では体内で一定量作られるクレアチニンのクリアランスが代用される(わずかに尿細管分泌があるためGFRをやや高めに見積もる)。

✓ 2. 正しい
イヌリン
自由にろ過され、再吸収も分泌もされず代謝もされないため、クリアランスがGFRと一致する。GFR測定の基準(ゴールドスタンダード)とされる。
✗ 1. 誤り
尿素
自由にろ過されるが、尿細管で一部が受動的に再吸収される。その割合は尿量や脱水の程度で変わるため、GFRの指標には使えない。
✗ 3. 誤り
グルコース
ろ過された後、近位尿細管でほぼ100%再吸収されるためクリアランスはほぼゼロになる。血糖が閾値(およそ170〜180mg/dL)を超えると再吸収が追いつかず尿糖が出る。
✗ 4. 誤り
パラアミノ馬尿酸
ろ過に加えて尿細管から強力に分泌され、腎を1回通るあいだにほぼ全量が尿へ移る。そのため腎血漿流量(約600mL/分)の指標として使われる。
ポイント
  • クリアランス=(尿中濃度×尿量)÷血漿濃度。単位はmL/分。
  • GFRの指標=イヌリン(ろ過のみ、再吸収も分泌もなし)。成人で約120mL/分。
  • 腎血漿流量の指標=パラアミノ馬尿酸(ろ過+分泌)。約600mL/分。
  • ろ過率(濾過率)=GFR÷腎血漿流量で約20%。
  • 臨床ではイヌリンの代わりにクレアチニンクリアランスを用いる(分泌がある分やや高めに出る)。
比較表
物質尿細管での扱いクリアランスが表すもの
イヌリン再吸収なし・分泌なしGFR(約120mL/分)
クレアチニンごくわずかに分泌GFRの近似(やや高めに出る)
尿素一部が受動的に再吸収GFRより低く出る(指標にならない)
グルコースほぼ完全に再吸収ほぼゼロ
パラアミノ馬尿酸強力に分泌腎血漿流量(約600mL/分)
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