学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §10 感覚器系 / QJ25A058

理由で解く 柔道整復師

QJ25A058 解剖学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問58
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 毛は真皮の一部が変化したものである。
2 立毛筋は横紋筋である。
3 毛包浅部に汗腺が開口する。
4 爪母基から新しい爪が生える。
解答
正解4(爪母基から新しい爪が生える。)
解説

爪は爪根の下にある爪母基(爪母)で作られ、そこから前方へ押し出される形で伸びる。皮膚の付属器はいずれも表皮に由来する点が本問の軸である。

皮膚は表層の表皮(重層扁平上皮)と深部の真皮(結合組織)からなり、毛・爪・脂腺・汗腺といった付属器は、いずれも表皮が真皮の中へ落ち込んで分化したものである。爪は表皮の角質層が硬く変形したもので、爪甲を作る細胞は爪根の下の爪母基で増殖・角化し、既存の爪を前へ押し出す。爪半月(爪の根元の白い半月)は爪母基の一部が透けて見えたものである。したがって爪母基が損傷を受けると、爪は変形したり伸びなくなったりする。爪の外傷を扱う際は、爪母基を保護することを念頭に置きたい。毛も同様に表皮由来で、毛包の底の毛球部にある毛母細胞が増殖して毛幹を伸ばし、真皮由来の毛乳頭が血管を通じて栄養を供給する。

✓ 4. 正しい
爪母基から新しい爪が生える。
爪根の下の爪母基で細胞が増殖・角化して爪甲を作り、これが前方へ押し出されて爪が伸びる。爪半月は爪母基が透けて見える部分であり、ここが障害されると爪の成長や形に影響が出る。
✗ 1. 誤り
毛は真皮の一部が変化したものである。
毛は表皮の角化産物であり、毛包は表皮が真皮内へ落ち込んでできた管である。真皮に由来するのは毛球に入り込む毛乳頭(結合組織と血管)で、毛そのものを作っているのはその周りの毛母細胞(表皮由来)である。
✗ 2. 誤り
立毛筋は横紋筋である。
立毛筋は平滑筋である。毛包の斜め下方から真皮乳頭層へ張り、交感神経の支配を受けて収縮すると毛が立ち上がり、いわゆる鳥肌が生じる。意志で動かせない不随意筋である点も平滑筋であることと一致する。
✗ 3. 誤り
毛包浅部に汗腺が開口する。
毛包の浅い部分(毛漏斗)に開口するのは脂腺である。全身に分布するエクリン汗腺は毛包を介さず皮膚表面へ直接開口する。なお腋窩や外陰部などに限局するアポクリン汗腺は毛包に開くが、一般則としては「毛包=脂腺、皮膚表面=エクリン汗腺」で整理する。
ポイント
  • 毛・爪・脂腺・汗腺はいずれも表皮由来。真皮由来なのは毛乳頭(栄養を送る結合組織と血管)。
  • 爪は爪母基で作られ前方へ押し出される。爪半月は爪母基が透けたもの。
  • 立毛筋は平滑筋で交感神経支配。収縮で鳥肌が立つ。
  • 脂腺は毛包の浅部(毛漏斗)に開口、エクリン汗腺は皮膚表面に直接開口する。
  • アポクリン汗腺は腋窩・外陰部などに限局し毛包に開口する例外として押さえる。
比較表
付属器由来・性質開口部・特徴
表皮の角化産物(毛母細胞が産生)毛包は表皮が真皮内へ落ち込んだ管。毛乳頭が栄養を供給
表皮の角質が硬く変化爪母基で作られ前方へ伸びる。爪半月は爪母基が透けた部分
脂腺表皮由来の腺毛包の浅部(毛漏斗)に開口し、皮脂を分泌
エクリン汗腺表皮由来の腺全身に分布し、皮膚表面へ直接開口。体温調節に働く
アポクリン汗腺表皮由来の腺腋窩・外陰部などに限局し、毛包に開口
立毛筋平滑筋(不随意筋)交感神経支配。収縮で毛が立つ
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