学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §5 呼吸器系 / QJ25A046

理由で解く 柔道整復師

QJ25A046 解剖学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問46
問題
縦隔後部にみられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 気管
2 胸管
3 食道
4 心臓
解答
正解2(胸管)、3(食道)
解説

縦隔後部(後縦隔)にみられるのは胸管食道である。気管は上縦隔、心臓は中縦隔に位置する。

縦隔は左右の胸膜腔に挟まれた領域で、胸骨角と第4/5胸椎椎間板を結ぶ面より上を上縦隔、下を下縦隔とする。下縦隔はさらに、心膜より前を前縦隔、心膜とその中身を中縦隔、心膜より後ろを後縦隔に分ける。後縦隔を占めるのは食道、胸大動脈、胸管、奇静脈・半奇静脈、迷走神経、内臓神経などで、いずれも胸部を上下に貫いて腹部へ向かう「通り道」の構造である点が共通する。ここで注意したいのは、胸管と食道は後縦隔を上行したのち上縦隔も通過するという点である。それでも両者は後縦隔の代表構造として問われる。対して気管は上縦隔だけを走り、気管分岐部から先は中縦隔の構造となるため、後縦隔には現れない。この「上縦隔のみの気管」と「上縦隔も通るが後縦隔が本籍の胸管・食道」の違いが本問の分かれ目である。心臓と心膜は中縦隔を占める。「後ろは通り道、真ん中は心臓、上は気管と大血管の枝分かれ」と、区画ごとの性格でまとめると迷わない。

✓ 2. 正しい
胸管
体の大部分のリンパを集める最大のリンパ本幹。乳び槽から大動脈裂孔を通って後縦隔を上行し、上縦隔を経て左静脈角に注ぐ。上縦隔も通過するが、区画の代表構造としては後縦隔に数える。
✓ 3. 正しい
食道
上縦隔から後縦隔を下行し、第10胸椎の高さで食道裂孔を通って腹部へ出る。上縦隔にかかるのは上端の一部だけで、大部分は後縦隔にあり、胸大動脈とともに後縦隔の代表的な構造である。
✗ 1. 誤り
気管
上縦隔だけを下行し、第4〜5胸椎の高さで左右の主気管支に分かれる(分岐部から先は中縦隔)。胸管・食道と違い後縦隔にはまったく入らないため、この設問では誤りとなる。
✗ 4. 誤り
心臓
心膜に包まれて中縦隔を占める。中縦隔=心膜とその内容、と定義そのもので覚えるとよい。
ポイント
  • 縦隔の区分:胸骨角と第4/5胸椎椎間板を結ぶ面より上=上縦隔、下=下縦隔
  • 下縦隔は心膜を基準に前縦隔・中縦隔(心臓・心膜)・後縦隔に分かれる
  • 後縦隔=食道、胸大動脈、胸管、奇静脈・半奇静脈、迷走神経、内臓神経
  • 上縦隔=気管、胸腺、大動脈弓とその枝、上大静脈、腕頭静脈(食道・胸管も通過するが本籍は後縦隔)
  • 気管は上縦隔のみ。胸管・食道は上縦隔も通るが後縦隔の代表構造、という差で正誤が決まる
  • 後縦隔の構造はすべて胸部を上下に貫く「通り道」と覚える
比較表
区画主な内容
上縦隔気管(上縦隔のみ)、胸腺、大動脈弓とその枝、上大静脈、腕頭静脈/食道・胸管(いずれも後縦隔から上行して通過するだけで、本籍は後縦隔)
前縦隔胸腺の下部、脂肪組織、リンパ節
中縦隔心臓、心膜、上行大動脈、肺動脈幹、気管分岐部
後縦隔食道、胸大動脈、胸管、奇静脈・半奇静脈、迷走神経、内臓神経
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