学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §2 医療過誤とリスクマネジメント / QJ25A011

理由で解く 柔道整復師

QJ25A011 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問11
問題
医療従事者が医療の遂行において医療的準則に違反して患者に被害を発生させるのはどれか。
選択肢
1 インシデント
2 医療過誤
3 医療事故
4 インフォームド・コンセント
解答
正解2(医療過誤)
解説

医療者が守るべき医療上のルール(医療的準則)に違反し、その結果として患者に被害が生じたものが医療過誤です。答えは2です。

この3語は「範囲の広さ」で並べると整理できます。いちばん広いのが医療事故で、医療の場・医療の過程で生じた患者や医療者の人身への好ましくない出来事すべてを指し、過失の有無は問いません。避けられなかった合併症も、患者が院内で転倒した事例も、ここに含まれます。その医療事故のうち、医療者側に注意義務違反や過失があり、それが原因で被害が生じたものが医療過誤で、民事・刑事の責任が問われうる領域です。そして、間違いが起きかけたが患者に被害が及ばなかった、あるいは実施前に気づいて止めた事例がインシデント(ヒヤリ・ハット)です。インシデントは責任追及の材料ではなく、共有して手順を改善するための資源として扱うことが再発防止につながります。施術所でも、患者の確認手順、施術録の記載、禁忌・既往の事前チェック、急変時の連絡先の明示といった仕組みをあらかじめ決めて実行しておくことが基本です。

✓ 2. 正しい
医療過誤
「医療的準則に違反した(=過失がある)」と「患者に被害が発生した」の2つを同時に満たすのが医療過誤です。設問の条件がそのまま定義に一致します。
✗ 1. 誤り
インシデント
誤りが起きかけたが患者に被害が及ばなかった、あるいは実施前に気づいて防いだ事例です(ヒヤリ・ハット)。被害が発生していない点で本問の条件と合いません。
✗ 3. 誤り
医療事故
医療に関連して生じた人身への出来事全般を指す上位の概念で、過失の有無を問いません。「準則違反」という条件が含まれていないため、本問の答えにはなりません。
✗ 4. 誤り
インフォームド・コンセント
医療者が十分に説明し、患者が理解・納得したうえで同意することを指します。被害の分類ではなく、医療行為を行う前提となる手続きです。
ポイント
  • 医療事故>医療過誤の関係。医療過誤は「過失+被害」がそろったもの。
  • 医療事故は過失の有無を問わない。避けられない合併症や院内転倒も含む。
  • インシデント(ヒヤリ・ハット)は被害が発生しなかった事例。報告と共有が再発防止の要。
  • インフォームド・コンセントは説明と同意という手続きで、被害の分類語ではない。
  • 施術所では、確認手順・施術録・禁忌チェック・急変時連絡先をあらかじめ定めて運用する。
比較表
用語過失の有無患者への被害位置づけ
インシデント問わないなし(未然に防止)報告・改善の対象
医療事故問わないあり最も広い概念
医療過誤あり(準則違反)あり医療事故の一部。責任が問われうる
インフォームド・コンセント説明と同意の手続き
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