学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §37 生理学 / QJ25A005

理由で解く 柔道整復師

QJ25A005 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問5
問題
ホメオスタシスの説明で正しいのはどれか。
選択肢
1 生殖により子孫を残すことができること。
2 血液が全身を絶えず循環していること。
3 神経回路網が全身に張り巡らされていること。
4 体内環境が常に狭い範囲で一定に保たれていること。
解答
正解4(体内環境が常に狭い範囲で一定に保たれていること。)
解説

ホメオスタシス(恒常性)とは、外の環境が変わっても体内環境を狭い範囲に一定に保つ働きのことです。答えは4です。

体温、血糖値、血液のpH、体液の浸透圧、血圧といった値は、基準からずれると受容器がそれを感知し、自律神経系と内分泌系(そしてそれらを統括する視床下部)が反対方向の反応を起こして元に戻します。この仕組みが負のフィードバックです。たとえば体温が上がれば発汗と皮膚血管の拡張で熱を逃がし、下がれば皮膚血管を収縮させ、ふるえによって熱を産生します。血糖が上がればインスリン、下がればグルカゴンやアドレナリンが働きます。ここで大切なのは、血液の循環や神経回路網は恒常性を実現するための「手段」であって、恒常性そのものの定義ではないという点です。本問はこの区別を問うています。

✓ 4. 正しい
体内環境が常に狭い範囲で一定に保たれていること。
これがホメオスタシスの定義そのものです。「狭い範囲で」という表現が、完全な不変ではなく、基準値の周りで揺れながら調節されている実態をよく表しています。
✗ 1. 誤り
生殖により子孫を残すことができること。
生殖は生物に共通する特徴の一つですが、個体を超えて種を維持する機能です。個体の内部環境を一定に保つ働きとは別の概念です。
✗ 2. 誤り
血液が全身を絶えず循環していること。
循環は、酸素・栄養素・ホルモン・熱を運び、老廃物を回収することで恒常性を支える手段です。手段であって定義ではありません。
✗ 3. 誤り
神経回路網が全身に張り巡らされていること。
神経系は情報を素早く伝えて調節を担う構造で、これも恒常性を成り立たせる仕組みの一部です。構造の記述であって、恒常性の意味そのものではありません。
ポイント
  • ホメオスタシス=内部環境(体温・血糖・pH・浸透圧・血圧など)を狭い範囲に保つ働き。
  • 中心となる仕組みは負のフィードバック。ずれを感知して逆方向の反応を起こす。
  • 担い手は自律神経系と内分泌系。両者を統合するのが視床下部。
  • 循環・神経回路網は恒常性を実現する「手段」であり、定義ではない。
  • 提唱の流れはベルナールの「内部環境の固定性」→キャノンの「ホメオスタシス」。
比較表
調節される項目ずれた向き体の反応
体温上昇発汗・皮膚血管拡張で放熱を増やす
体温低下皮膚血管収縮・ふるえで産熱を増やす
血糖上昇インスリン分泌で細胞への取り込みを促す
血糖低下グルカゴン・アドレナリン等で放出を促す
血圧低下圧受容器反射で心拍数増加・血管収縮
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