学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §36 解剖学 / QJ25A004

理由で解く 柔道整復師

QJ25A004 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問4
問題
体表から拍動を触知できるのはどれか。
選択肢
1 鎖骨下動脈
2 肋間動脈
3 外腸骨動脈
4 大腿動脈
解答
正解1(鎖骨下動脈) または 4(大腿動脈) 〈複数正答:いずれも正解〉
解説

※本問は複数正答(厚生労働省が複数の選択肢を正解と認定)。選択肢 1/4 のいずれを選んでも正解。

拍動を触れるには「太い動脈が」「体表近くを走り」「骨などの硬い土台に押しつけられる」という3条件がそろう必要があります。本問は鎖骨下動脈と大腿動脈のいずれもこれを満たすため、1と4の複数正解として扱われました。

鎖骨下動脈は前斜角筋の外側を通り、第1肋骨の上面を乗り越えて腋窩動脈へ移行します。この乗り越える場所が鎖骨上窩で、指を下向きに押し込むと第1肋骨に動脈を押しつける形になり拍動を触れます。同じ理屈で、上肢からの出血に対する圧迫止血点にもなります。大腿動脈は鼠径靱帯中央のすぐ下方で皮下浅く走り、後方の大腿骨頭に押しつけられるため、日常的に最も確実に触れる動脈の一つで、脈が触れるかどうかは循環の評価にも使えます。逆に、骨に押しつけられない動脈や体幹の深部を走る動脈は、太くても体表からは触知できません。本試験ではこの点をめぐって1と4の両方が正解と認められ、複数正解の措置が取られています。

✓ 1. 正しい(複数正解の一方)
鎖骨下動脈
鎖骨上窩から指を押し込むと、第1肋骨の上を越える部分で拍動を触れます。上肢の出血に対する圧迫止血点としても知られる部位です。
✓ 4. 正しい(複数正解の一方)
大腿動脈
鼠径靱帯中央直下で皮下浅く走り、大腿骨頭に押しつけて触知できます。体表から最も明瞭に拍動を確認できる動脈の一つです。
✗ 2. 誤り
肋間動脈
各肋骨の下縁にある肋骨溝の中を、静脈・神経とともに走ります。肋骨に覆われたうえに細いため、体表からは触れません。
✗ 3. 誤り
外腸骨動脈
骨盤内(後腹膜)を腸腰筋の内側に沿って下り、鼠径靱帯の下をくぐった先で大腿動脈と名を変えます。腹壁と腹腔内臓器の奥にあるため触知できず、触れるのは鼠径靱帯を越えて大腿動脈になってからです。
ポイント
  • 触知の条件は「太い」「浅い」「硬い土台に押しつけられる」の3つ。
  • 鎖骨下動脈は鎖骨上窩で第1肋骨に押しつけて触知でき、上肢の圧迫止血点でもある。
  • 大腿動脈は鼠径靱帯中央直下、大腿骨頭の前面で触知する。
  • 外腸骨動脈は鼠径靱帯を越えた時点で大腿動脈に名称が変わる。それより近位は触れない。
  • 本問は1・4の複数正解として採点された。
比較表
動脈触知部位押しつける土台触知の可否
鎖骨下動脈鎖骨上窩第1肋骨
大腿動脈鼠径部(鼠径靱帯中央下)大腿骨頭
肋間動脈肋骨溝に隠れる不可
外腸骨動脈骨盤内(後腹膜)不可
(参考)総頸・上腕・橈骨・膝窩・後脛骨・足背動脈頸部/上腕内側/手関節橈側/膝窩/内果後方/足背各部の骨・筋膜
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