学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ24P080

理由で解く 柔道整復師

QJ24P080 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問80
問題
延長転位するのはどれか。
選択肢
1 尺骨骨幹部上・中1/3境界部骨折
2 円回内筋付着部より近位の橈骨骨幹部骨折
3 橈骨遠位端部伸展型骨折
4 上腕三頭筋付着部より遠位の肘頭骨折
解答
正解4(上腕三頭筋付着部より遠位の肘頭骨折)
解説

延長(離開)転位は、骨片に付く筋が骨折部を引き離す向きに働くときに生じる。上腕三頭筋付着部より遠位で折れた肘頭では、近位骨片が三頭筋に引き上げられて骨折部が離開する。

転位は「骨片ごとにどの筋が付き、どちらへ引くか」で決まる。肘頭には上腕三頭筋が付着しており、骨折線がその付着部より遠位にある(=三頭筋が近位骨片側に付く)と、肘伸展筋の張力がそのまま骨片を近位へ引き、骨折端が離れる。肘を屈曲させると離開はさらに広がる。関節内骨折であるうえ離開が保存的に保持しにくいため、引き寄せ締結法などの観血療法が選択されることが多い。同じ理屈で膝蓋骨骨折(大腿四頭筋)も延長転位の代表である。

✓ 4. 正しい
上腕三頭筋付着部より遠位の肘頭骨折
上腕三頭筋が近位骨片側に付くため、伸展筋の牽引で近位骨片が引き上げられ、骨折部が離れる(延長・離開転位)。
✗ 1. 誤り
尺骨骨幹部上・中1/3境界部骨折
尺骨単独の骨幹部骨折では、隣接する橈骨と骨間膜が支柱の役割を果たすため離開も短縮も起こりにくく、側方転位や屈曲転位が主体となる。
✗ 2. 誤り
円回内筋付着部より近位の橈骨骨幹部骨折
近位骨片は回外筋・上腕二頭筋に引かれて回外し、遠位骨片は円回内筋・方形回内筋に引かれて回内する。中心となるのは回旋(捻転)転位で、骨折端が引き離される転位ではない。
✗ 3. 誤り
橈骨遠位端部伸展型骨折
コーレス骨折では遠位骨片が背側・橈側へ転位し、骨折部は圧迫されて短縮する。延長ではなく短縮転位が特徴である。
ポイント
  • 延長(離開)転位=付着筋が骨片を骨折部から引き離す配置のときに起こる
  • 代表例=肘頭骨折(上腕三頭筋)、膝蓋骨骨折(大腿四頭筋)
  • 肘頭は関節内骨折で、離開すると保存的な保持が困難
  • 尺骨単独骨幹部骨折は橈骨と骨間膜に支えられ短縮しにくい
  • コーレス骨折は短縮転位、橈骨近位骨幹部骨折は回旋転位が主
比較表
骨折主となる転位理由
肘頭骨折(三頭筋付着部より遠位)延長(離開)上腕三頭筋が近位骨片を引き上げる
尺骨単独骨幹部骨折側方・屈曲橈骨と骨間膜が支柱となる
橈骨骨幹部(円回内筋付着部より近位)回旋近位=回外、遠位=回内
コーレス骨折短縮・背側転位軸圧により骨折部が圧迫される
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