学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §9 疾患別各論 骨および軟部腫瘍 / QJ24P063

理由で解く 柔道整復師

QJ24P063 整形外科学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問63
問題
多発する傾向がない骨腫瘍はどれか。
選択肢
1 骨軟骨腫
2 内軟骨腫
3 骨巨細胞腫
4 線維性骨異形成症
解答
正解3(骨巨細胞腫)
解説

骨巨細胞腫はふつう単発で発生し、多発する傾向をもたない。したがって答えは3。

骨腫瘍のうち多発性を示すものは、背景に遺伝性疾患や症候群があることが多いと整理すると覚えやすい。骨軟骨腫は遺伝性多発性骨軟骨腫症(多発性外骨腫症、常染色体優性)として全身の骨幹端に多発する。内軟骨腫が多発すればオリエ(Ollier)病、これに軟部血管腫を伴えばマフッチ(Maffucci)症候群と呼ばれ、いずれも軟骨肉腫への悪性転化に注意を要する。線維性骨異形成症にも多骨性の病型があり、皮膚色素斑と思春期早発症を伴えばマッキューン・オルブライト症候群となる。一方、骨巨細胞腫は20〜40歳代の長管骨骨端に単発するのが典型である。

✓ 3. これが答え(多発する傾向がない)
骨巨細胞腫
大腿骨遠位、脛骨近位、橈骨遠位といった長管骨の骨端部に単発するのが典型である。多発するのは例外的で、多発例では副甲状腺機能亢進症による褐色腫との鑑別が必要になる。良性に分類されるが局所再発しやすく、まれに肺転移をきたす点も押さえておきたい。
✗ 1. 多発しうる(答えではない)
骨軟骨腫
単発が最も多い良性骨腫瘍だが、遺伝性多発性骨軟骨腫症(常染色体優性)では骨幹端に多数の外骨腫が生じ、四肢の変形や成長障害を伴う。急に増大したり痛みが出たりした場合は悪性転化を疑って画像評価につなぐ。
✗ 2. 多発しうる(答えではない)
内軟骨腫
手指の短管骨に好発する軟骨性腫瘍で、多発するとオリエ病、軟部血管腫を伴うとマフッチ症候群と呼ばれる。多発例では軟骨肉腫への悪性転化率が高くなるため、定期的な経過観察が必要になる。
✗ 4. 多発しうる(答えではない)
線維性骨異形成症
単骨性と多骨性の病型があり、多骨性で皮膚のカフェオレ斑と思春期早発症を伴えばマッキューン・オルブライト症候群となる。X線ではすりガラス様陰影を示し、大腿骨近位が変形した羊飼いの杖変形が知られる。
ポイント
  • 多発しうる:骨軟骨腫(多発性外骨腫症)、内軟骨腫(オリエ病/マフッチ症候群)、線維性骨異形成症(多骨性/マッキューン・オルブライト症候群)
  • 骨巨細胞腫は単発が原則。20〜40歳代、長管骨の骨端部
  • 骨巨細胞腫は良性に分類されるが局所再発が多く、まれに肺転移する
  • 多発内軟骨腫では軟骨肉腫への悪性転化に注意する
  • 既知の腫瘍がある部位に新たな痛みや急な増大が出たら、経過観察にとどめず画像での再評価につなぐ
比較表
骨腫瘍多発性多発時の名称・症候群
骨軟骨腫あり遺伝性多発性骨軟骨腫症(多発性外骨腫症)
内軟骨腫ありオリエ病/マフッチ症候群(+軟部血管腫)
線維性骨異形成症あり多骨性/マッキューン・オルブライト症候群
骨巨細胞腫なし(単発)—(多発例は褐色腫との鑑別が必要)
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