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理由で解く 柔道整復師
刑罰(刑事罰)の種類は刑法が限定列挙している。出題当時の刑法第9条は、金銭を国庫に納めさせる「罰金・科料」、身体を拘束する「懲役・禁錮(現・拘禁刑)・拘留」、そして死刑を主刑としていた(令和4年の改正により、令和7年6月1日から懲役・禁錮は「拘禁刑」に一本化され、現行の主刑は死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種である)。損害賠償だけは民法上の責任であり、刑事罰ではない。
刑事罰は、国が犯罪を犯した者に制裁として科すもので、刑事訴訟手続を経て裁判所が言い渡す。出題当時の刑法第9条は主刑として死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料の6種を、付加刑として没収を定めていた。令和4年法律第67号による改正で懲役と禁錮は「拘禁刑」に一本化され、令和7年6月1日から施行されているため、現行の主刑は死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種である(金銭刑である罰金・科料、短期の拘留はそのまま残る)。ただし懲役・禁錮は刑名が変わっただけで、刑罰であること自体は新旧を通じて変わらない。これに対して損害賠償は、他人に損害を与えた者が被害者本人に金銭で損害を埋め合わせる民法上の不法行為責任であり、支払先も目的も刑罰とはまったく異なる。ひとつの施術事故から、刑事責任(業務上過失致傷など)・民事責任(損害賠償)・行政処分の3つが同時に生じうるため、この3つを別ものとして整理しておくことが要点である。なお柔道整復師に対する行政処分は、柔道整復師法第8条が定める免許の取消しと期間を定めた業務の停止の2種類だけで、戒告はない(戒告があるのは医師法第7条の医師など別の資格である)。
| 区分 | 刑事責任 | 民事責任 | 行政責任 |
|---|---|---|---|
| 内容の例 | 死刑・拘禁刑(旧・懲役/禁錮)・罰金・拘留・科料(付加刑は没収) | 損害賠償(慰謝料を含む) | 免許の取消し/期間を定めた業務の停止(この2種類のみ・戒告なし) |
| 科す主体 | 国(裁判所が言い渡す) | 当事者間(示談・民事訴訟) | 厚生労働大臣などの行政庁 |
| 金銭の行き先 | 国庫 | 被害者本人 | — |
| ねらい | 犯罪への制裁・再発防止 | 損害の穴埋め(原状回復) | 資格・業務の適正確保 |
| 根拠法 | 刑法、各法の罰則規定 | 民法(不法行為・債務不履行) | 柔道整復師法第8条など |
刑事責任の欄は現行刑法(令和7年6月1日施行)の主刑。本問出題当時は懲役・禁錮が別の刑として並んでいた。行政責任の欄について、柔道整復師の処分は免許の取消しと業務の停止の2種類だけで戒告はない。参考までに医師の行政処分(医師法第7条)は戒告・3年以内の医業の停止・免許の取消しの3種類で、戒告の有無が両者の識別点になる。
| まぎらわしい語 | 刑罰か | 中身 |
|---|---|---|
| 科料(とがりょう) | 刑罰(主刑) | 1,000円以上1万円未満を国庫へ |
| 過料(あやまちりょう) | 刑罰でない | 行政上の秩序罰。住民票の転入届の遅滞など、法令が「過料に処する」と定めた軽微な義務違反に科され、前科にはならない。柔道整復師法の罰則は罰金だけで過料の規定は無い |
| 拘留 | 刑罰(主刑) | 1日以上30日未満の身体拘束 |
| 勾留 | 刑罰でない | 捜査・公判段階の未決拘禁 |
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