学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ24A091

理由で解く 柔道整復師

QJ24A091 運動学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問91
問題
安静時の吸息、運動で重要な役割を担うのはどれか。
選択肢
1 外肋間筋
2 僧帽筋
3 胸鎖乳突筋
4 小胸筋
解答
正解1(外肋間筋)
解説

安静時の吸息では横隔膜と外肋間筋が主役となり、選択肢の中では外肋間筋があてはまります。したがって正答は1です。

安静時の吸息は横隔膜と外肋間筋の収縮で起こります。横隔膜が収縮して下降すると胸腔の上下径が広がり、これが換気量のおよそ7割を担います。外肋間筋は肋骨と肋骨の間を後上方から前下方へ斜めに走り、収縮すると肋骨を挙上して胸郭の前後径と左右径を広げます(前後方向に広がるポンプハンドル運動、左右方向に広がるバケツハンドル運動)。一方、安静時の呼息は呼吸筋が弛緩し、広げられた肺と胸郭がもとに戻ろうとする弾性の力で受動的に起こるため、原則として筋の収縮を必要としません。運動時や努力呼吸になると、吸息には胸鎖乳突筋・斜角筋・僧帽筋・大胸筋・小胸筋などの呼吸補助筋が動員され、呼息には内肋間筋と腹筋群が加わります。「安静吸息=横隔膜+外肋間筋」「安静呼息=受動的」「努力時に補助筋が加わる」の3段構えで整理すると解きやすくなります。

✓ 1. 正しい
外肋間筋
肋骨の間を後上方から前下方へ斜めに走り、収縮すると肋骨を挙上して胸郭を前後・左右に広げます。横隔膜とならぶ安静時吸息の主力筋で、この2つで安静時の換気はまかなわれます。
✗ 2. 誤り
僧帽筋
後頭部・脊柱と肩甲帯を結ぶ筋で、上部線維は肩甲骨を挙上します。努力性吸息のときに胸郭上部を引き上げる呼吸補助筋として働きますが、安静時吸息の主役ではありません。
✗ 3. 誤り
胸鎖乳突筋
本来は頭部の回旋・屈曲に働く筋で、頭部を固定すると起始である胸骨・鎖骨を引き上げます。努力性吸息の代表的な呼吸補助筋であり、安静時の吸息にはほとんど関与しません。
✗ 4. 誤り
小胸筋
肩甲骨の烏口突起から第3〜第5肋骨に付き、通常は肩甲骨を前下方に引きます。肩甲骨を固定したときには肋骨を挙上する呼吸補助筋として働きますが、安静時吸息を担う筋ではありません。
ポイント
  • 安静時吸息=横隔膜(換気量の約7割)+外肋間筋。この2つが主役。
  • 安静時呼息=肺と胸郭の弾性による受動的な収縮で、原則として筋の収縮を要さない。
  • 努力性吸息の補助筋=胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋、大胸筋、小胸筋など。
  • 努力性呼息の筋=内肋間筋、腹直筋・腹斜筋・腹横筋などの腹筋群。
  • 肋骨の挙上で胸郭は前後(ポンプハンドル運動)と左右(バケツハンドル運動)に広がる。
比較表
安静時努力時
吸息(吸気)横隔膜、外肋間筋上記+胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋、大胸筋、小胸筋
呼息(呼気)筋の弛緩による受動的な収縮(弾性復元)内肋間筋、腹筋群(腹直筋・腹斜筋・腹横筋)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。