学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §13 筋肉の機能 / QJ24A080

理由で解く 柔道整復師

QJ24A080 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問80
問題
筋細胞膜の興奮を伝えるのはどれか。
選択肢
1 •筋小胞体
2 終末槽
3 横行小管
4 アクチン
解答
正解3(横行小管)
解説

筋細胞膜(筋鞘)に生じた活動電位を筋線維の深部まで運ぶのは、膜が内部へ落ち込んでできた横行小管(T管)です。

骨格筋では、神経筋接合部で生じた興奮が筋鞘を伝わります。筋線維は太いため、表面の興奮を中心部の筋原線維まで確実に届ける仕組みが必要です。その役目を果たすのが横行小管で、筋鞘が筋線維の内部へ管状に陥入した構造をしています。ここを活動電位が伝わると、T管膜にある電位センサーが構造変化を起こし、隣接する筋小胞体終末槽の放出チャネルを開かせてカルシウムイオンが細胞質へ放出されます。カルシウムがトロポニンに結合するとトロポミオシンがずれてアクチンの結合部位が現れ、ミオシン頭部が結合して滑り込みが起こります。この一連の流れが興奮収縮連関です。横行小管とその両側の終末槽が並ぶ構造を三つ組(トライアド)と呼び、電気信号を化学信号に変える現場になっています。順序を追って覚えると、どの構造が何を担うかを取り違えません。

✓ 3. 正しい
横行小管
筋鞘が内部へ陥入した管で、表面の活動電位を筋線維の深部まで伝えます。膜の興奮を運ぶ通路であり、設問の内容と一致します。
✗ 1. 誤り
•筋小胞体
筋小胞体は筋原線維を取り巻く袋状の構造で、カルシウムイオンを蓄えて放出・回収する役割です。興奮を伝える通路ではありません。
✗ 2. 誤り
終末槽
終末槽は筋小胞体が膨らんだ部分で、横行小管の両側に接してカルシウムを放出します。興奮を受け取る側であって、伝える構造ではありません。
✗ 4. 誤り
アクチン
アクチンは細いフィラメントを構成する収縮蛋白です。ミオシンとの滑り込みで収縮を実行する側であり、興奮の伝達路ではありません。
ポイント
  • 横行小管(T管)は筋鞘が内部へ陥入した構造で、活動電位を筋線維の深部へ伝える。
  • 筋小胞体はカルシウムの貯蔵庫。終末槽はその膨大部で、放出の現場。
  • 横行小管+両側の終末槽=三つ組(トライアド)。
  • 興奮収縮連関の順序は、筋鞘の活動電位→T管→終末槽からカルシウム放出→トロポニンに結合→アクチンとミオシンの滑り込み。
  • 弛緩時はカルシウムポンプがカルシウムを筋小胞体へ回収する(ATPを消費)。
比較表
構造役割興奮収縮連関での位置
筋細胞膜(筋鞘)活動電位の発生と伝導1番目
横行小管(T管)興奮を筋線維の深部へ伝える2番目
終末槽(筋小胞体)カルシウムイオンの貯蔵と放出3番目
トロポニン・トロポミオシンカルシウムを受けて結合部位を露出4番目
アクチン・ミオシン滑り込みによる収縮の実行5番目
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