学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §3 循環 / QJ24A065

理由で解く 柔道整復師

QJ24A065 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問65
問題
心臓の興奮伝導系で洞房結節に始まった興奮が最初に伝わる部位はどれか。
選択肢
1 左脚
2 ヒス束
3 房室結節
4 プルキンエ線維
解答
正解3(房室結節)
解説

刺激伝導系は洞房結節→心房筋(結節間路)→房室結節→ヒス束→左脚・右脚→プルキンエ線維→固有心筋、という一方通行の順序をとる。選択肢の中で洞房結節の次に位置するのは房室結節である。

洞房結節は右心房の上大静脈開口部付近にあり、自動能(自発的に興奮する能力)が最も高いため心臓全体のペースメーカーとして働く。心房と心室は心臓の線維骨格(線維輪)で電気的に絶縁されており、興奮が心室側へ渡れる通路は房室結節からヒス束へ続く経路だけである。房室結節は伝導速度がとりわけ遅く、ここで生じる時間差(房室遅延)のおかげで心房が収縮し終わってから心室が収縮する。心電図のPQ(PR)間隔がこの遅れに対応する。順序を問う設問では、選択肢を並べ替えて「洞房結節から数えて何番目か」を書き出す習慣をつけると確実に取れる。

✓ 3. 正しい
房室結節
心房内を広がってきた興奮が心室側へ渡る唯一の入口であり、選択肢の中で洞房結節に最も近い。伝導速度が遅いことが欠点ではなく、心房から心室への充満時間を確保するという役割になっている点まで結びつけて覚える。
✗ 1. 誤り
左脚
ヒス束が心室中隔で左脚・右脚に分かれた後の枝で、順序としては房室結節・ヒス束より下流にあたる。左脚は中隔を下って左室側へ興奮を運ぶ。
✗ 2. 誤り
ヒス束
房室結節を通過した興奮が次に入る束であり、洞房結節から数えると房室結節の後になる。房室結節とセットで「心房と心室をつなぐ唯一の橋」として記憶するとよい。
✗ 4. 誤り
プルキンエ線維
脚がさらに枝分かれして心内膜側に広がる伝導系の最終部で、ここから固有心筋へ興奮が渡る。伝導速度は伝導系で最も速く、心室全体をほぼ同時に興奮させて効率のよい駆出をつくるが、到達する順番は最後である。
ポイント
  • 順序:洞房結節→心房筋(結節間路)→房室結節→ヒス束→左脚・右脚→プルキンエ線維→固有心筋。
  • 洞房結節は右心房上部にあり、自動能が最も高いためペースメーカーとなる。
  • 心房と心室は線維輪で絶縁され、通路は房室結節-ヒス束のみ。
  • 房室結節は伝導が遅い(房室遅延)=心房収縮の後に心室収縮という順番をつくる。
  • プルキンエ線維は伝導速度が最速で、心室をほぼ同時に興奮させる。
比較表
順番部位特徴
1洞房結節自動能が最も高い。心拍のペースメーカー
2房室結節伝導が最も遅い(房室遅延)。心室への唯一の入口
3ヒス束心室中隔上部を下り、左脚・右脚に分岐
4左脚・右脚中隔内を下行し各心室へ
5プルキンエ線維伝導速度が最速。心内膜側から固有心筋へ
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