学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ24A060

理由で解く 柔道整復師

QJ24A060 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問60
問題
上腕骨内側上顆後面で触れるのはどれか。
選択肢
1 筋皮神経
2 正中神経
3 橈骨神経
4 尺骨神経
解答
正解4(尺骨神経)
解説

上腕骨内側上顆の後面(尺骨神経溝=肘部管)を通り、皮下で直接触れられるのは尺骨神経である。ここを打つと小指側にビリッと放散するのは、神経が骨と皮膚の間を裸同然で走っているためである。

上腕から前腕へ向かう主要な神経は、肘の高さで通り道がはっきり分かれている。尺骨神経は上腕内側を下り、上腕三頭筋内側頭の前面を通って内側上顆の後ろへ回り込み、尺側手根屈筋の二頭の間から前腕屈側へ入る。正中神経は上腕動脈とともに肘窩の内側(上腕二頭筋腱の内側)を前面から通過し、円回内筋の二頭間を抜ける。橈骨神経は上腕骨後面の橈骨神経溝を外下方へ回り、外側上顆の前方で浅枝と深枝に分かれる。筋皮神経は烏口腕筋を貫いて上腕二頭筋と上腕筋の間を下り、外側前腕皮神経となって肘窩の外側で皮下に現れる。骨性の目印(内側上顆・外側上顆・上腕二頭筋腱)と神経を結び付けて覚えると、触診でも臨床でも迷わない。

✓ 4. 正しい
尺骨神経
内側上顆と肘頭の間の尺骨神経溝を通り、そのまま肘部管へ入る。皮下浅層を走るため触知でき、同時に圧迫や外傷を受けやすい。障害されると鷲手変形や小指・環指尺側の感覚障害、母指内転筋の麻痺によるフローマン徴候がみられる。
✗ 1. 誤り
筋皮神経
腕神経叢外側神経束から起こり、烏口腕筋を貫いて上腕二頭筋と上腕筋の間を下行し、上腕屈筋群を支配したのち外側前腕皮神経として肘窩の外側で皮下に出る。走行は上腕の前面・外側寄りであり、内側上顆の後面は通らない。
✗ 2. 誤り
正中神経
上腕では上腕動脈に伴走して内側を下るが、肘では内側上顆の前面側、上腕二頭筋腱の内側を通って肘窩に入り、円回内筋の二頭間を抜ける。「内側だが前」であって「内側上顆の後面」ではない点が分かれ目。
✗ 3. 誤り
橈骨神経
上腕骨後面の橈骨神経溝(螺旋溝)を内上方から外下方へ回り、外側筋間中隔を貫いて上腕外側に出て、外側上顆の前方で浅枝と深枝に分かれる。上腕骨骨幹部中央の骨折で麻痺し下垂手を生じるが、通り道は内側上顆の後面ではない。
ポイント
  • 内側上顆の後面(尺骨神経溝・肘部管)=尺骨神経。骨と皮膚の間を走るので触れるし、傷めやすい。
  • 正中神経は肘窩を前面から通過(上腕二頭筋腱の内側)→円回内筋の二頭間へ。内側だが「前」。
  • 橈骨神経は上腕骨後面の橈骨神経溝を回り、外側上顆の前方で浅枝・深枝に分かれる。
  • 筋皮神経は烏口腕筋を貫き、上腕二頭筋と上腕筋の間を下って外側前腕皮神経になる。
  • 麻痺の形:尺骨神経=鷲手、正中神経=猿手、橈骨神経=下垂手。通り道と障害像をひと組で覚える。
比較表
神経肘周辺での通り道骨性の目印麻痺したときの特徴
尺骨神経内側上顆の後面(尺骨神経溝)→肘部管→尺側手根屈筋二頭間内側上顆と肘頭の間鷲手、小指・環指尺側の感覚障害
正中神経肘窩の内側(上腕二頭筋腱の内側)→円回内筋二頭間内側上顆の前面側猿手、母指〜環指橈側の感覚障害
橈骨神経上腕骨後面の橈骨神経溝→外側上顆前方で浅枝・深枝へ外側上顆の前方下垂手、手背橈側の感覚障害
筋皮神経上腕二頭筋と上腕筋の間→肘窩外側で皮下へ上腕外側(上顆は通らない)肘屈曲力低下、前腕外側の感覚障害
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