学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §4 消化器系 / QJ24A046

理由で解く 柔道整復師

QJ24A046 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問46
問題
呼吸器系と消化器系の交叉部はどれか。
選択肢
1 咽頭鼻部
2 咽頭口部
3 咽頭喉頭部
4 喉頭
解答
正解3(咽頭喉頭部)
解説

空気の道と食物の道がすれ違って前後に分かれるのは 3 の咽頭喉頭部(下咽頭)である。

咽頭は上から咽頭鼻部(上咽頭)・咽頭口部(中咽頭)・咽頭喉頭部(下咽頭)の3部に分けられる。鼻腔から入った空気は咽頭鼻部・口部・喉頭部と後方を下降し、そこで向きを変えて前方の喉頭口へ入る。一方、口腔から入った食物は咽頭口部・喉頭部を通ってそのまま後方の食道へ進む。つまり下方へ降りてきた空気が前に折れ、後ろへ回った食物が下へ抜けるという「入れ替わり」が起こるのが咽頭喉頭部であり、ここが呼吸路と嚥下路の交叉部にあたる。この危険な交叉を安全に処理するため、嚥下の瞬間には軟口蓋が挙がって鼻腔への逆流を防ぎ、喉頭が引き上げられて喉頭蓋が喉頭口をふさぎ、声門も閉じる。この一連の連携が乱れると食物が気道へ入り誤嚥が起こるため、嚥下の評価では喉頭挙上の有無を確かめることが大切になる。

✓ 3. 正しい
咽頭喉頭部
喉頭蓋の上縁から輪状軟骨下縁の高さまでの部分で、前方に喉頭口が開き、後方は食道へ続く。ここで空気は前へ、食物は後ろ・下へと進路を変えるため、呼吸器系と消化器系の交叉部となる。
✗ 1. 誤り
咽頭鼻部
軟口蓋より上、鼻腔の後方にある部分(上咽頭)。耳管咽頭口と咽頭扁桃(アデノイド)があり、通るのは空気だけである。両者が交わる場ではない。
✗ 2. 誤り
咽頭口部
軟口蓋から喉頭蓋上縁までの部分(中咽頭)で、口峡によって口腔に続き、口蓋扁桃がある。空気も食物も通る共通路ではあるが、ここでは両者がともに下方へ向かうだけで進路の入れ替わり(交叉)は起きていない。
✗ 4. 誤り
喉頭
甲状軟骨・輪状軟骨・喉頭蓋軟骨・披裂軟骨などで枠組みが作られ、声帯を備えた発声器官でもある気道の一部。通るのは空気だけであり、交叉部そのものではなく交叉した後に空気が入っていく先である。
ポイント
  • 咽頭の3部:咽頭鼻部(上咽頭)=空気のみ/咽頭口部(中咽頭)=共通路/咽頭喉頭部(下咽頭)=交叉部
  • 交叉部では空気が前方の喉頭へ、食物が後方の食道へ分かれる。前後関係で覚えると図が描ける。
  • 嚥下時の防御は3段構え:軟口蓋挙上(鼻腔へ行かせない)→ 喉頭挙上+喉頭蓋の閉鎖 → 声門閉鎖。
  • 咽頭鼻部には耳管咽頭口と咽頭扁桃、咽頭口部には口蓋扁桃。部位ごとの目印を対応させて覚える。
  • 誤嚥のリスクを見るときは喉頭挙上が十分かを確認する。解剖の理解がそのまま観察点になる。
比較表
部位範囲通るもの目印
咽頭鼻部(上咽頭)頭蓋底〜軟口蓋空気のみ耳管咽頭口・咽頭扁桃
咽頭口部(中咽頭)軟口蓋〜喉頭蓋上縁空気+食物(共通路)口峡・口蓋扁桃
咽頭喉頭部(下咽頭)喉頭蓋上縁〜輪状軟骨下縁空気+食物(交叉部)前=喉頭口、後=食道入口
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