学習トップ教科書ドリル 生理学第13章 ▸ E. 味覚と嗅覚 / Q13E008

教科書ドリル 生理学

Q13E008 感覚

問題

味覚と嗅覚に関する以下の対比のうち、**誤っている**のはどれか。

選択肢
1味覚・嗅覚はともに水に溶けた化学物質を受容する化学感覚である。
2味覚情報は視床(VPM)を経由して大脳皮質に到達するが、嗅覚情報は視床を経由しない経路で梨状皮質に直接到達する(=視床非経由の例外)。
3味覚の受容器は味蕾内の味細胞(非神経細胞)で、嗅覚の受容器は嗅上皮の嗅細胞(神経細胞そのもの)である。
4味覚障害の原因として亜鉛欠乏は重要であるが、嗅覚障害は解剖学的に独立した経路を持つためウイルス感染(例: COVID-19)では生じない。
解答
正解4
解説

味覚と嗅覚はともに「化学物質(水溶液)を受容する感覚」という点で共通するが、伝導路・受容器細胞の性質・臨床病態において対比的な特徴がある。(i)**化学感覚としての共通点**=味覚も嗅覚も水に溶けた(あるいは粘液層に溶けた)化学物質を受容器が感知して始まる(選択肢1は正しい)。(ii)**視床中継の有無**=味覚は延髄孤束核→視床VPM→島皮質・中心後回基部と視床を経由するが、嗅覚は嗅球→**一次嗅覚野**(梨状皮質)に直接到達する経路が存在し、「視床を経由しない唯一の感覚」と定型的に表現される(選択肢2は正しい)。ただし教科書L4031注記のとおり、梨状皮質から眼窩前頭皮質への二次投射では視床(背内側核MDなど)を経由する経路と経由しない経路が併存する点に注意が必要であり、厳密には「一次嗅覚野到達までは視床非経由」という限定表現が最も正確である(Q11解説と共通。本問選択肢2の簡略表現はこの前提の上で成立)。(iii)**受容器細胞の性質**=味細胞は上皮由来の非神経細胞で求心線維とシナプスを作って情報を伝えるが、嗅細胞は神経細胞そのものであり、自ら軸索を伸ばして嗅球へ直接投射する(選択肢3は正しい)。(iv)**臨床**=味覚障害は亜鉛欠乏・薬剤性・顔面神経麻痺・加齢で生じ、嗅覚障害はCOVID-19(ACE2を介したウイルス感染で嗅上皮の支持細胞障害→嗅細胞機能不全)、副鼻腔炎、頭部外傷(篩板骨折で嗅神経断裂)、Parkinson病/Alzheimer病の前駆症状など多彩な原因で生じる。COVID-19における急性嗅覚脱失は世界的に注目された臨床現象であり、「嗅覚障害は生じない」とする選択肢4は明確に誤り。

解説画像
味覚と嗅覚に関する以下の対比のうち、**誤っている**のはどれか。 解説図
味覚と嗅覚に関する以下の対比のうち、**誤っている**のはどれか。
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