学習トップ / 教科書ドリル 生理学 / 第13章 ▸ A. 感覚の分類と一般的性質 / Q13A012
教科書ドリル 生理学
感覚情報は一次感覚野で感覚を生じさせるだけでなく、視床下部や大脳辺縁系にも伝えられ、これらの領域を興奮させることで快・不快・喜び・恐れなどの反応を引き起こす。感覚情報が知覚・認識の過程とは独立にこうした反応を惹起する場合があることと関連し、感覚刺激によって生じるこの種の強い感情反応を何とよぶか。
情動(emotion)は、快や不快、怒り、恐れ、喜び、悲しみなど、行動を起こすきっかけとなる強い感情と、それに伴う発汗・心拍変動・顔面紅潮などの自律神経性の生理変化を含む反応様式である。感覚情報が一次感覚野(知覚・認識に関与)だけでなく視床下部・大脳辺縁系(扁桃体など)にも伝えられることで、感覚刺激は認識過程を経ずに情動反応を誘発できる。臨床的には、嗅覚は嗅球から嗅皮質・扁桃体へ短い経路で達するため匂いが情動・記憶と強く結びつく(プルースト効果)、強い痛みは即座に不安・恐怖を引き起こす、慢性疼痛では情動系が過敏化して痛覚過敏・抑うつを併発するなど、感覚と情動の連関は多くの病態に関わる。PTSDでは感覚刺激による情動フラッシュバックが起こり、扁桃体の感作が基盤と考えられている。

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