
この図の解説
この図は線維性結合組織に存在する肥満細胞を1個拡大したものである。まず注目すべきは、細胞全体が丸く大きくふくらみ、内部が黒〜赤褐色に染まった多数の分泌顆粒でびっしり満たされている点。この「顆粒を大量に抱え込んで太って見える」姿がそのまま名の由来になっている。中央のやや淡い部分が核で、顆粒に埋もれて見えにくい。顆粒の中身がヒスタミンをはじめとする化学伝達物質(ケミカルメディエーター)で、細胞膜表面には免疫グロブリンE(IgE)の受容体が並ぶ。抗原がIgEを介して受容体に結合すると顆粒が細胞外へ放出(脱顆粒)され、放たれたヒスタミンが毛細血管を拡張して透過性を高める。これがI型(即時型)アレルギーで、喘息・花粉症・じんま疹の引き金になる。肥満細胞は血管の周辺に多く分布することもあわせて押さえたい。
学習の要点
- 肥満細胞は顆粒にヒスタミンを蓄え、IgEを介した抗原刺激で脱顆粒し、I型(即時型)アレルギーを引き起こす。
- 覚え方のコツ: 「肥満=顆粒で太っている」。栄養で太ったのではなく顆粒の詰め込みで大きい。脂肪を溜める脂肪細胞と混同しないこと。
- 関連知識: 放出されたヒスタミンは毛細血管を拡張し透過性を高める。血液中の好塩基球も似た顆粒をもちアレルギーに関わる。
- よくある間違い: 抗体を産生するのは形質細胞、異物を食べて抗原提示するのは大食細胞。肥満細胞は抗体もつくらず食作用も主業務ではない。
- 臨床応用: 花粉症・じんま疹・喘息などI型アレルギー症状では、皮膚の発赤や膨疹に肥満細胞由来のヒスタミンが関与する。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
肥満細胞の細胞膜表面には免疫グロブリン〔 〕の受容体があり、そこに抗原が結合すると顆粒からヒスタミンが放出される。〔 〕に入る記号を答えよ。
答えを見る
答え: E(IgE)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。