学習トップ / 理由で解く 生理学 / 第13章 ▸ D. 痛覚 / Q0889
理由で解く 生理学
痛みにかかわる化学物質は、それ自体が侵害受容器(痛みを受け取る自由神経終末)を興奮させる「発痛物質」と、それ自体では痛みを起こしにくく侵害受容器を感作して痛みを強める「発痛増強物質」に分けられる。この基本分類で発痛増強物質にあたるのはロイコトリエン(プロスタグランジンと同じ仲間)だが、本問は1・2・3のいずれを選んでも正解として扱われた。
組織が傷ついたり炎症が起こると、壊れた細胞・血漿成分・肥満細胞などからさまざまな化学物質が遊離する。このうちブラジキニン、セロトニン、ヒスタミン、K+(カリウムイオン)、H+(水素イオン)、アセチルコリンは侵害受容器を直接興奮させて痛みそのものを起こすので発痛物質、プロスタグランジンとロイコトリエンは侵害受容器の閾値を下げて発痛物質による痛みを強めるので発痛増強物質と分類するのが基本である。感作が起これば、ふだんは痛くない弱い刺激でも痛みとして感じられ、炎症部位の痛みが強く長く続く。ただしセロトニンとヒスタミンは、発痛作用に加えて侵害受容器を感作して痛みを増強する作用も併せもつと記す書物があり、発痛物質と発痛増強物質の線引きが揺れる。本問はこの揺れのため1・2・3のいずれでも正解とされたと考えられる。同じ問いに出会ったら、まず「発痛増強物質=プロスタグランジンとロイコトリエン」で答えるのが実戦的である。
| 区分 | 代表的な物質 | はたらき |
|---|---|---|
| 発痛物質 | ブラジキニン、セロトニン、ヒスタミン、K+、H+、アセチルコリン | 侵害受容器を直接興奮させて痛みを起こす |
| 発痛増強物質 | プロスタグランジン、ロイコトリエン | 侵害受容器を感作して閾値を下げ、発痛物質による痛みを強める |
| 分類が揺れる物質 | セロトニン、ヒスタミン | 発痛物質でありながら増強作用も併記される(本問が1・2・3のいずれでも正解とされた理由) |

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