学習トップ理由で解く 生理学第13章 ▸ D. 痛覚 / Q0882

理由で解く 生理学

Q0882 感覚

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題48
問題
痛みについて誤っている記述はどれか。
選択肢
1 鋭い痛みと鈍い痛みとがある。
2 深部痛覚は局在性が明確である。
3 受容器は自由神経終末である。
4 エンドルフィンは内因性鎮痛物質である。
解答
正解2(深部痛覚は局在性が明確である。)
解説
✗ 1.
鋭い痛みと鈍い痛みとがある。
✗ 正しい。痛みにはAδ線維が伝える鋭い速い痛み(一次痛・刺すような痛み)とC線維が伝える鈍い遅い痛み(二次痛・うずくような痛み)の2種類がある。Aδ線維は有髄で伝導速度が速く、C線維は無髄で伝導速度が遅い。
✓ 2. 誤り
深部痛覚は局在性が明確である。
深部痛覚(筋・腱・骨膜・関節などからの痛み)は局在性が不明確であり、鈍く持続的でうずくような性質を持つ。これに対し、皮膚の表在痛覚は比較的局在が明確である。深部痛では関連痛(内臓や深部組織の痛みが体表面に投射される現象)も起こりやすく、痛みの部位特定が困難になる。
✗ 3.
受容器は自由神経終末である。
✗ 正しい。痛覚受容器(侵害受容器)は特殊な構造を持たない自由神経終末(裸の神経末端)であり、皮膚・筋・内臓など広範囲に分布する。他の感覚受容器のような被包構造を持たない。
✗ 4.
エンドルフィンは内因性鎮痛物質である。
✗ 正しい。エンドルフィン(β-エンドルフィンなど)はオピオイド受容体に結合する内因性鎮痛物質であり、下行性痛覚抑制系で作用する。エンケファリンも同様に内因性オピオイドとして鎮痛作用を持つ。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 「深い所の痛みはどこが痛いかわからない」→深部痛=局在不明確、表在痛=局在明確と対比で覚える。
  • 関連知識: 関連痛の臨床例として、心筋梗塞の左肩〜左腕への放散痛がある。ゲートコントロール理論では太い触覚線維(Aβ)の刺激が細い痛覚線維(C)の信号を脊髄後角で抑制する。
  • よくある間違い: 「深部=深い場所なので局在がわかりやすい」と誤解しやすい。深部は受容器密度が低く、痛覚線維の収束が大きいため局在は不明確である。
  • 教科書では「a.痛みの分類」の範囲に該当する。
比較表
痛みの種類 伝導線維 特徴 局在性
速い痛み(一次痛) Aδ線維(有髄) 鋭い、刺すような 明確
遅い痛み(二次痛) C線維(無髄) 鈍い、うずくような やや不明確
深部痛 C線維が主 鈍い、持続的 不明確
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題48|痛みについて誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題48|痛みについて誤っている記述はどれか。
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