学習トップ / 理由で解く 生理学 / 第13章 ▸ B. 体性感覚 / Q0879

理由で解く 生理学

Q0879 感覚

出典:あマ指 第23回(2015) 問題35
問題
最も順応しにくい感覚はどれか。
選択肢
1 触 覚
2 痛 覚
3 嗅 覚
4 温 覚
解答
正解2(痛 覚)
解説

持続する刺激に対して感覚が弱まる現象を順応という。痛覚は組織の傷害を知らせ続ける必要があるため順応しにくく、本問の答えは痛覚である。

受容器は、刺激の始まりや変化に強く応じて発射がすぐ減る速順応型と、刺激が続くかぎり発射を続ける遅順応型に分けられる。嗅覚は順応が速い感覚の代表で、触圧覚を担う低閾値機械受容器には速順応型と遅順応型の両方があるが、痛覚と比べればいずれも順応しやすい。本問で問われる温覚も順応が起こりやすく、温覚も冷覚も生じない無感温度は約33℃前後、45℃を超えるような熱刺激になると痛覚を伴う。つまり温度感覚は環境温に「慣れる」感覚で、「温度感覚は順応しない」という記述は誤りとして何度も問われている。これに対し痛覚を受容する自由神経終末(侵害受容器)は遅順応性で、傷害が続くかぎり信号を送り続ける。さらに炎症や発痛物質があると感作(閾値が下がり応答が大きくなること)が加わり、痛みが増強することもある。

✗ 1. 誤り
触 覚
触圧覚を担うのは低閾値機械受容器で、その情報はAβ(Ⅱ群)線維が伝える。速順応型(パチニ小体・マイスナー小体・毛包受容器)と遅順応型(メルケル盤・ルフィニ終末)があるが、痛覚と比べればいずれも順応しやすい。指輪や眼鏡の感触をすぐ忘れてしまうのがその例である。
✓ 2. 正しい
痛 覚
痛覚の受容器は自由神経終末(高閾値機械受容器=Aδ線維、ポリモーダル受容器=C線維)で遅順応性であり、傷害が続くかぎり興奮し続ける。これが四つのなかで最も順応しにくい理由である。炎症や発痛物質による感作が加わると、痛みはさらに強まることもある。
✗ 3. 誤り
嗅 覚
嗅覚は順応が速い感覚の代表で、同じにおいの環境にいるとすぐに気づかなくなる。刺激が続いても感覚が薄れにくいものを選ぶ本問では該当しない。
✗ 4. 誤り
温 覚
温覚の受容器は自由神経終末で、C(Ⅳ群)線維が伝え、順応が起こりやすい。温かい湯に入った直後の熱さが次第に和らぐのがその例で、「温度感覚は順応しない」という記述は誤りとして繰り返し問われている。なお45℃を超える熱刺激では痛覚を伴うが、それは温覚ではなく痛覚の話である。
ポイント
  • 四つのうち痛覚だけが「順応しにくい」側にあり、他は順応する側にある。この一点で判断できる。
  • 痛覚の受容器は自由神経終末(高閾値機械受容器=Aδ線維、ポリモーダル受容器=C線維)で遅順応性。感作が加わると痛みは増強しうる。
  • 触圧覚は低閾値機械受容器が受容しAβ(Ⅱ群)線維が伝える。速順応型と遅順応型があるが、痛覚より順応しやすい。
  • 温度感覚は順応が起こりやすい。受容器は自由神経終末で、無感温度は約33℃前後、45℃を超える熱刺激では痛覚を伴う。温受容器が50℃付近で最も強く反応するという記述は誤り。
  • 重要用語: 順応, 侵害受容器, 低閾値機械受容器, 無感温度 を正確に理解しておくこと。
比較表
感覚受容器の形態持続する刺激への応答
触覚(触圧覚)低閾値機械受容器(被膜をもつものが多い)/Aβ線維順応する(速順応型・遅順応型があるが、いずれも痛覚より順応しやすい)
温覚・冷覚自由神経終末/温覚はC線維順応する(無感温度は約33℃前後。「順応しない」は誤り)
痛覚自由神経終末(高閾値機械受容器・ポリモーダル受容器)ほとんど順応しない(遅順応性。感作でさらに増強しうる)
解説画像
あマ指 第23回(2015) 問題35|最も順応しにくい感覚はどれか。 解説図
あマ指 第23回(2015) 問題35|最も順応しにくい感覚はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 生理学
App Store入手