学習トップ / 理由で解く 生理学 / 第13章 ▸ A. 感覚の分類と一般的性質 / Q0862
理由で解く 生理学
順応とは、同じ刺激が続くうちにその感覚が弱まっていく現象である。痛覚は組織の傷害を知らせ続ける警告信号であるため順応しにくく、四つのなかで最も順応しにくいのは痛覚である。
感覚受容器の多くは、刺激が続くとインパルスの発射頻度を下げていく。嗅覚は順応が速い感覚の代表で、同じにおいの環境にいるとすぐに感じにくくなる。触圧覚を受容するのは低閾値機械受容器(マイスナー小体・メルケル盤・パチニ小体・ルフィニ終末・毛包受容器。閾値とは反応を起こすのに必要な最小の刺激の強さ)で、そのなかには速順応型(パチニ小体・マイスナー小体・毛包受容器)と遅順応型(メルケル盤・ルフィニ終末)があるが、痛覚に比べればいずれも順応しやすい。温度感覚(温覚・冷覚)も順応が起こりやすく、「温度感覚は順応しない/順応しにくい」という記述は誤りとして繰り返し問われている。これに対し痛覚の受容器は自由神経終末(高閾値機械受容器・ポリモーダル受容器)で、傷害が続くかぎり発射を続ける遅順応性の受容器である。さらに炎症や発痛物質が加わると感作(受容器の閾値が下がり応答が大きくなること)が起こり、痛みはむしろ強まることがある。これは順応しにくさそのものとは別の現象なので、分けて理解しておきたい。
| 感覚 | 持続する刺激への応答 | 補足 |
|---|---|---|
| 嗅覚・触覚・温度感覚(温覚・冷覚) | 順応する(応答が弱まる) | 触覚の受容器には速順応型と遅順応型があるが、いずれも痛覚より順応しやすい。温度感覚は「順応しない」と書かれたら誤り |
| 痛覚 | ほとんど順応しない | 侵害受容器は自由神経終末で遅順応性。感作が加わると痛みはさらに強まりうる |

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