学習トップ理由で解く 生理学第12章 ▸ A. 骨格筋の神経支配 / Q0813

理由で解く 生理学

Q0813 運動

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題45
問題
骨格筋について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 単収縮は強縮より大きな張力を発生する。
2 筋緊張は姿勢保持機能に関与する。
3 筋収縮のエネルギーはATP分解による。
4 筋収縮で熱産生が起こる。
解答
正解1(単収縮は強縮より大きな張力を発生する。)
解説
✓ 1. 誤り
単収縮は強縮より大きな張力を発生する。
単収縮は1回の刺激に対する1回の収縮であり、発生する張力は小さい。強縮は高頻度の刺激により単収縮が加重・融合して生じ、単収縮よりはるかに大きな張力を発生する。不完全強縮では収縮の波が部分的に融合し、完全強縮では完全に融合して最大張力が発揮される。日常の随意運動は主に不完全強縮で行われている。
✗ 2.
筋緊張は姿勢保持機能に関与する。
✗ 正しい。筋緊張(トーヌス)はγ運動ニューロンと筋紡錘の伸張反射回路により維持され、姿勢保持に不可欠である。
✗ 3.
筋収縮のエネルギーはATP分解による。
✗ 正しい。筋収縮のエネルギー源はATPであり、ミオシン頭部のATPase活性によりATPが分解されて収縮のエネルギーが供給される。
✗ 4.
筋収縮で熱産生が起こる。
✗ 正しい。筋収縮時にはATPの化学エネルギーのうち約75%が熱として放出される。寒冷時の「ふるえ」は骨格筋の不随意的収縮による熱産生を利用した体温調節機構である。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 「単→不完全→完全で張力は"段"階的に増加」と覚える。"単"収縮は最も"単"純で張力も最小。
  • 関連知識: 筋収縮の仕組みは第5章(筋の生理学)と関連が深い。運動単位の動員数と発火頻度を増やすことで筋力が調節される(サイズの原理)。
  • よくある間違い: 「強縮」と「単収縮」の張力の大小関係を逆に覚えるケース。加重の原理を理解すれば、刺激頻度が高いほど張力が大きくなることが論理的にわかる。
  • 教科書では「a.運動単位とα運動ニューロン」の範囲に該当する。
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題45|骨格筋について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題45|骨格筋について誤っている記述はどれか。
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