学習トップ理由で解く 生理学第11章 ▸ C. 筋のエネルギー供給の仕組み / Q0792

理由で解く 生理学

Q0792 筋

出典:あマ指 第17回(2009) 問題46
問題
骨格筋について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 無酸素状態でもエネルギー産生ができる。
2 クレアチンリン酸はエネルギー源である。
3 収縮に伴い熱が発生する。
4 弛緩の過程にエネルギーは不要である。
解答
正解4(弛緩の過程にエネルギーは不要である。)
解説
✗ 1.
無酸素状態でもエネルギー産生ができる。
✗ 正しい。骨格筋は解糖系(嫌気的代謝)により、酸素がない状態でもグルコースからATPを産生できる。乳酸が生成されるが、短時間の激しい運動に対応可能である。
✗ 2.
クレアチンリン酸はエネルギー源である。
✗ 正しい。クレアチンリン酸はクレアチンキナーゼの触媒作用によりADPにリン酸基を転移し、ATPを迅速に再合成する。運動開始直後の即時的エネルギー供給源として重要である。
✗ 3.
収縮に伴い熱が発生する。
✗ 正しい。筋収縮時にはATPの加水分解エネルギーの約75〜80%が熱として放出される。この熱産生は体温調節にも寄与する。
✓ 4. 誤り
弛緩の過程にエネルギーは不要である。
筋の弛緩過程にはATP(エネルギー)が必要である。Ca²⁺-ATPase(SERCAポンプ)が筋小胞体にCa²⁺を能動的に取り込む際にATPが消費される。さらにミオシン頭部がアクチンから解離する際にも新たなATPの結合が必要である。ATPが枯渇すると弛緩できなくなり、これが死後硬直の原因となる。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 「弛緩=Ca²⁺を回収=ポンプ=ATPが要る」「ATP枯渇=弛緩できない=死後硬直」と一連の流れで覚える。
  • 関連知識: 筋のエネルギー供給は「クレアチンリン酸(即時・数秒)→解糖系(短時間・数十秒〜数分)→有気的代謝(持続・数分以上)」の3段階で切り替わる。
  • よくある間違い: 「収縮にだけエネルギーが必要で弛緩は自然に起こる」という誤解。能動的なCa²⁺回収とアクチン-ミオシン解離にATPが必須である。
  • 教科書では「a.筋収縮のエネルギー代謝」の範囲に該当する。
比較表
エネルギー供給系 速度 持続時間 酸素の要否
クレアチンリン酸系 最速 数秒 不要
解糖系(嫌気的代謝) 速い 数十秒〜数分 不要
有気的代謝(酸化的リン酸化) 遅い 数分以上(持続) 必要
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題46|骨格筋について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題46|骨格筋について誤っている記述はどれか。
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