学習トップ理由で解く 生理学第11章 ▸ B. 筋の収縮の仕組み / Q0783

理由で解く 生理学

Q0783 筋

出典:あマ指 第12回(2004) 問題56
問題
筋の収縮で誤っている記述はどれか。
選択肢
1 収縮時に熱を産生する。
2 弛緩にATPは必要である。
3 筋トーヌスは姿勢保持に関与する。
4 歩行運動は等尺性収縮による。
解答
正解4(歩行運動は等尺性収縮による。)
解説
✗ 1.
収縮時に熱を産生する。
✗ 正しい。筋収縮時にはATPの加水分解エネルギーの大部分が熱として放出される。筋のエネルギー効率は約20〜25%であり、残りの75〜80%は熱に変換される。この熱産生は体温維持に寄与する。
✗ 2.
弛緩にATPは必要である。
✗ 正しい。弛緩時にはCa²⁺-ATPase(SERCAポンプ)が筋小胞体にCa²⁺を能動的に取り込むためにATPが必要である。またミオシン頭部がアクチンから解離する際にもATPの結合が必要である。ATPが枯渇すると弛緩できなくなり、死後硬直が生じる。
✗ 3.
筋トーヌスは姿勢保持に関与する。
✗ 正しい。筋トーヌス(筋緊張)は安静時にも持続的に見られる軽度の収縮状態であり、抗重力筋を中心に姿勢保持に重要な役割を果たしている。
✓ 4. 誤り
歩行運動は等尺性収縮による。
歩行運動は関節の屈曲・伸展を伴う動的な運動であり、筋長が変化する等張性収縮(アイソトニック収縮)を主体とする。等尺性収縮(アイソメトリック収縮)は筋長が変化せず張力のみが発生する収縮であり、壁を押す動作や直立姿勢の維持などに見られる。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 「動く運動=等張性(張力一定で長さ変化)」「動かない運動=等尺性(長さ一定で張力変化)」と「動く/動かない」で二分する。
  • 関連知識: 弛緩にATPが必要であるという事実は死後硬直の理解に直結する。死後はATPが枯渇するためミオシンがアクチンから解離できず、筋が硬直する。
  • よくある間違い: 弛緩にはエネルギーが不要と考えるケース。収縮だけでなく弛緩にもATPが必要であることを忘れないこと。
  • 教科書では「b.等張性収縮と等尺性収縮」の範囲に該当する。
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題56|筋の収縮で誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題56|筋の収縮で誤っている記述はどれか。
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