
この図の解説
筋収縮の分子メカニズム(滑り説とクロスブリッジ回転)を、アクチン・ミオシンの動きとして5段階で描いた図です。①弛緩時はトロポミオシンがアクチン上のミオシン結合部位を塞ぐ→②Ca²⁺がトロポニンに結合しトロポミオシンがずれてミオシン頭部が結合・ATPをADPに加水分解→③ADPが外れ首振り(パワーストローク)でアクチンをM線側へ引く→④新しいATP結合でミオシンがアクチンから離れる→⑤ATP分解で頭部が元の角度に戻り再結合、というサイクルに注目します。右下にはこの滑りでI帯・H帯が短縮しA帯は不変となる様子が描かれています。
学習の要点
- 覚え方: 塞ぐ(①)→外す(②Ca²⁺)→引く(③首振り)→離れる(④ATP)→戻る(⑤)。Ca²⁺が引き金、ATPは『結合を外す』と『首を戻す』の2役。
- 重要: ミオシン頭部がアクチンから離れるにはATPの結合が必要。だからATPが枯渇すると頭部が外れず筋は硬直する(死後硬直の原理)。
- パワーストローク(首振り)でアクチンがサルコメア中央(M線側)へ滑り込むのが力の源。フィラメント自体は短くならず、重なりが増えて滑る=滑り説。
- よくある間違い: 収縮してもアクチン・ミオシンの長さは変わらない。短くなるのはZ線間(サルコメア)・I帯・H帯で、A帯(ミオシンの長さ)は不変。
- 関連知識: トロポニン・トロポミオシンは細いアクチンフィラメント側の調節タンパク。Ca²⁺が結合するのはトロポニン。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
収縮の引き金となるイオンと、ATPが果たす2つの役割は何か。
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答え: 引き金はCa²⁺。ATPは「結合を外す」と「首を戻す」の2役。
ATPが枯渇するとなぜ筋が硬直するか(死後硬直)。
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答え: ミオシン頭部がアクチンから離れるにはATPの結合が必要で、枯渇すると外れないため。
収縮時に短くなる帯と変わらない帯はどれか。
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答え: I帯・H帯(およびサルコメア)が短縮し、A帯(ミオシンの長さ)は不変。
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。