学習トップ理由で解く 生理学第10章 ▸ N. 自律神経系 / Q0768

理由で解く 生理学

Q0768 神経

出典:あマ指 第33回(2025) 問題29
問題
副交感神経活動に対する応答で正しいのはどれか。
選択肢
1 発汗の促進
2 気管支筋の弛緩
3 心収縮力の増加
4 直腸平滑筋の収縮
解答
正解4(直腸平滑筋の収縮)
解説
✗ 1. 誤り
発汗の促進
発汗の促進は交感神経の作用である。汗腺を支配する交感神経の節後線維は例外的にアセチルコリン(コリン作動性)を神経伝達物質とするが、副交感神経ではない。
✗ 2. 誤り
気管支筋の弛緩
気管支筋の弛緩(拡張)は交感神経のβ2受容体刺激による作用である。副交感神経(迷走神経)はムスカリン受容体を介して気管支筋を収縮させる。
✗ 3. 誤り
心収縮力の増加
心収縮力の増加は交感神経のβ1受容体刺激による作用である。副交感神経(迷走神経)はムスカリン受容体(M2)を介して心拍数を低下させ、心房の収縮力も低下させる。
✓ 4. 正しい
直腸平滑筋の収縮
副交感神経活動により直腸平滑筋が収縮する。骨盤神経(仙髄S2〜S4由来の副交感神経)の興奮によりアセチルコリンが放出され、直腸平滑筋のムスカリン受容体に作用して収縮を引き起こす。これにより直腸内圧が上昇し、同時に内肛門括約筋の弛緩も起こることで排便が促進される。副交感神経は消化管全般の運動・分泌を促進する方向に作用し、「安静と消化(rest and digest)」の状態を形成する。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 副交感神経の作用は「食後にリラックスした体」をイメージする。心臓はゆっくり(心拍数低下)・胃腸は活発に動く(消化管収縮・分泌促進)・瞳孔は小さく(縮瞳)・気管支は狭くなる(気管支収縮)。すべて消化吸収と休息に有利な方向に働く。
  • 関連知識: 副交感神経の節前線維の起始は脳幹(動眼神経・顔面神経・舌咽神経・迷走神経)と仙髄(S2〜S4)であり、「頭仙系」と呼ばれる。節前線維・節後線維ともにアセチルコリン作動性で、効果器のムスカリン受容体に作用する。汗腺を支配するのは交感神経のコリン作動性線維であり、副交感神経ではないことに注意が必要である。
  • よくある間違い: 「発汗=アセチルコリンで促進=副交感神経」と誤解しやすいが、汗腺を支配するのは交感神経の節後線維(例外的にコリン作動性)であり、副交感神経は汗腺を支配しない。
  • 教科書では「h.自律神経系の神経伝達物質と受容体」の範囲に該当する。
比較表
器官 副交感神経の作用 交感神経の作用
瞳孔括約筋 収縮(縮瞳)
心臓 心拍数低下・収縮力低下 心拍数増加・収縮力増加
気管支筋 収縮 弛緩(拡張)
消化管平滑筋 収縮(運動促進) 弛緩(運動抑制)
直腸平滑筋 収縮(排便促進) 弛緩
排尿筋 収縮(排尿促進) 弛緩(蓄尿)
汗腺 ー(支配なし) 促進(コリン作動性)
解説画像
あマ指 第33回(2025) 問題29|副交感神経活動に対する応答で正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第33回(2025) 問題29|副交感神経活動に対する応答で正しいのはどれか。
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