学習トップ / 理由で解く 生理学 / 第10章 ▸ N. 自律神経系 / Q0767
理由で解く 生理学
この図は交感神経が各効果器に及ぼす作用と、それを仲介する受容体(αまたはβ)を一覧にしたものである。まず注目してほしいのは、作用の向き(収縮か弛緩か)と受容体の種類が対応している点である。心臓では心拍数増加・収縮力増大が起こり受容体はβ、大部分の血管では平滑筋が収縮しαが担う。消化管では平滑筋が弛緩(α・β)する一方、消化管括約筋は収縮(α)し、同じ器官でも「動かす筋」と「締める筋」で逆に働く。膀胱でも排尿筋は弛緩(β)、膀胱括約筋は収縮(α)で、尿をためる方向に統一される。瞳孔散大筋は収縮して散瞳(α)、気管支平滑筋は弛緩して気道拡張(β)となる。図右下の吹き出しが要点で、「αは収縮/βは弛緩と心臓」と覚えれば全体をほぼ整理できる。細部を丸暗記するより、この対応原則で図を読むのが近道である。
図の左側は瞳孔括約筋で、瞳孔の縁を輪状に取り囲む筋束が描かれている。この輪が収縮すると瞳孔は締まって小さくなり、これを縮瞳という。支配は動眼神経(Ⅲ)に混ざる副交感線維で、中脳の動眼神経副核から出た節前線維が毛様体神経節で節後線維に交代し、眼球内に入って瞳孔括約筋に達する。右側は瞳孔散大筋で、瞳孔から外へ放射状に伸びる矢印が筋線維の走行を示す。この放射状の筋が収縮すると瞳孔の縁が外側へ引かれて大きくなり、これを散瞳という。支配は交感神経である。両筋は瞳孔径を拮抗的に調節する内眼筋で、明所では縮瞳、暗所や興奮時には散瞳が起こる。同じ内眼筋の毛様体筋も副交感(Ⅲ)支配で、収縮すると水晶体が厚くなり近くに焦点を合わせる。
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