学習トップ理由で解く 生理学第10章 ▸ N. 自律神経系 / Q0766

理由で解く 生理学

Q0766 神経

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題29
問題
近くの物体を見るときに起こるのはどれか。
選択肢
1 毛様体筋の弛緩
2 瞳孔散大
3 水晶体の厚みの増大
4 共同偏視
解答
正解3(水晶体の厚みの増大)
解説
✗ 1. 誤り
毛様体筋の弛緩
近方視では毛様体筋は収縮する(弛緩ではない)。毛様体筋が弛緩するのは遠方視のときである。
✗ 2. 誤り
瞳孔散大
近方視では瞳孔は縮小(縮瞳)する。瞳孔散大(散瞳)は暗所や交感神経興奮時に起こる反応である。
✓ 3. 正しい
水晶体の厚みの増大
近くの物体を見るときには水晶体の厚みが増大する。副交感神経(動眼神経)の興奮により毛様体筋が収縮すると、チン小帯(毛様体小帯)の張力が低下し、水晶体が自らの弾性によって厚くなる。水晶体が厚くなることで屈折力が増加し、近くの物体に焦点が合う(近点調節)。この調節反応に加えて、縮瞳(被写界深度の増大)と輻輳(両眼が内側に向く)が同時に起こり、これら3つをまとめて近見反応(near response)と呼ぶ。
✗ 4. 誤り
共同偏視
近方視では輻輳(両眼の内転)が起こるが、共同偏視は脳卒中などによる病的所見であり正常な近方視の反応ではない。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 近見反応の3つ=「ちぢむ・ちぢむ・よる」→ 水晶体が「縮む(厚くなる)」+瞳孔が「縮む(縮瞳)」+眼球が「寄る(輻輳)」。すべて副交感神経(動眼神経)が関与する。
  • 関連知識: 加齢により水晶体の弾性が低下すると近点調節力が減少し、老視(老眼)となる。水晶体の厚さ調節は動眼神経の副交感神経成分(エディンガー・ウェストファル核由来)が担い、毛様体筋のムスカリン受容体(M3)を介する。
  • よくある間違い: 「毛様体筋が収縮→チン小帯が引っ張られる→水晶体が薄くなる」と力学関係を逆に考えやすいが、毛様体筋の収縮はチン小帯を弛緩させて水晶体を厚くする。
  • 教科書では「h.自律神経系の神経伝達物質と受容体」の範囲に該当する。
比較表
近見反応の要素 変化 機序
水晶体 厚みが増大 毛様体筋収縮→チン小帯弛緩→弾性で肥厚
瞳孔 縮小(縮瞳) 瞳孔括約筋収縮
眼球 輻輳(内転) 内側直筋収縮
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題29|近くの物体を見るときに起こるのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題29|近くの物体を見るときに起こるのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 生理学
App Store入手