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理由で解く 生理学

Q0748 神経

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題30
問題
迷走神経の興奮で起こるのはどれか。
選択肢
1 発汗
2 膀胱収縮
3 心拍数減少
4 血管収縮
解答
正解3(心拍数減少)
解説
✗ 1. 誤り
発汗
発汗は交感神経のコリン作動性線維(アセチルコリン放出)が支配する機能であり、迷走神経は関与しない。汗腺は交感神経の単独支配を受ける。
✗ 2. 誤り
膀胱収縮
膀胱排尿筋の収縮は骨盤神経(S2-S4の副交感神経)が支配する。迷走神経は頸部から腹部臓器(横行結腸左半まで)を支配するが、膀胱は支配範囲外である。
✓ 3. 正しい
心拍数減少
迷走神経(第X脳神経)は副交感神経の主幹であり、心臓の洞房結節にアセチルコリンを放出してムスカリン受容体(M2)に作用し、心拍数を減少させる(陰性変時作用)。また房室結節の伝導を遅延させ(陰性変伝導作用)、心房の収縮力を減少させる。迷走神経は心臓のほか、気管支(収縮)、消化管(運動促進・消化液分泌促進)など広範な臓器を支配する。
✗ 4. 誤り
血管収縮
血管収縮は交感神経のノルアドレナリンがα1受容体に作用して起こる反応である。大部分の血管には副交感神経支配がない。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 「迷走神経はブレーキ役」→ 心臓を減速させ、消化管を促進させる(安静・休息の神経)。
  • 関連知識: 迷走神経反射(血管迷走神経反射)は強い疼痛や精神的ストレスで迷走神経が過度に興奮し、徐脈・血圧低下・失神を起こす臨床上重要な反射である。
  • よくある間違い: 膀胱収縮も副交感神経の作用だが、担当するのは骨盤神経(仙髄由来)であり迷走神経ではない。迷走神経の支配範囲は横行結腸左半までである。
  • 教科書では「h.自律神経系の神経伝達物質と受容体」の範囲に該当する。
比較表
迷走神経の作用 効果器 反応
心臓 洞房結節・房室結節 心拍数減少・伝導遅延
気管支 気管支平滑筋 収縮(気道狭窄)
胃壁・胃腺 運動促進・胃酸分泌促進
小腸 腸壁 蠕動促進
膵臓 外分泌腺 膵液分泌促進
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題30|迷走神経の興奮で起こるのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題30|迷走神経の興奮で起こるのはどれか。
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