学習トップ理由で解く 生理学第3章 ▸ C. 呼吸運動とその調節 / Q0266

理由で解く 生理学

Q0266 呼吸

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題29
問題
健常成人における安静時の呼吸について正しい記述はどれか。
選択肢
1 腹筋の収縮が起こる。
2 呼息時には胸腔内圧が腸圧になる。
3 吸息時には腹腔内圧が陰圧になる。
4 呼息と吸息で約500ml の空気が出入りする。
解答
正解4(呼息と吸息で約500ml の空気が出入りする。)
解説
✗ 1. 誤り
腹筋の収縮が起こる。
腹筋の収縮は努力性呼息時に起こる。→ 安静呼吸の呼息は横隔膜と外肋間筋の弛緩による受動的な過程であり、腹筋の収縮は起こらない。
✗ 2. 誤り
呼息時には胸腔内圧が腸圧になる。
呼息時にも胸腔内圧は陰圧を維持する。胸腔内圧は常時陰圧であり、呼息時には陰圧度が減少するものの大気圧にはならない。→ 大気圧に近づく、あるいは等しくなるのは気胸の場合である。
✗ 3. 誤り
吸息時には腹腔内圧が陰圧になる。
吸息時には横隔膜が収縮して下降する。→ 横隔膜の下降により腹腔が圧迫されるため、腹腔内圧は上昇(陽圧方向)し、陰圧にはならない。
✓ 4. 正しい
呼息と吸息で約500ml の空気が出入りする。
安静時の1回換気量は成人で約500mLであり、1回の吸息・呼息で約500mLの空気が出入りする。→ 安静呼吸時に1回の吸息あるいは呼息で出入りする空気の量(成人約500ml)。
ポイント
  • 安静時の1回換気量は約500mL、呼吸数は毎分約12〜20回である
  • 覚え方のコツ: 「胸腔内圧は常に陰圧」→ 吸息時にはさらに陰圧が強まり、呼息時には陰圧度が減少するが陽圧にはならない
  • 関連知識: 胸腔内圧が大気圧に等しくなると肺は弾性により収縮する(気胸)。安静呼息は受動的で腹筋は関与しない
  • よくある間違い: 「呼息時に胸腔内圧が陽圧になる」「吸息時に腹腔内圧が陰圧になる」はどちらも典型的な誤り
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題29|健常成人における安静時の呼吸について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題29|健常成人における安静時の呼吸について正しい記述はどれか。
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