学習トップ理由で解く 生理学第10章 ▸ K. 大脳 / Q0700

理由で解く 生理学

Q0700 神経

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題40
問題
脳波について正しいのはどれか。
選択肢
1 a 波は安静覚醒閉眼時に現れる。
2 b 波は a 波より周波数が低い。
3 d 波は運動時に多く現れる。
4 深睡眠時には脳波は平坦となる。
解答
正解1(a 波は安静覚醒閉眼時に現れる。)
解説
✓ 1. 正しい
a 波は安静覚醒閉眼時に現れる。
α波(8〜13Hz)は安静覚醒閉眼時に後頭部を中心に出現する脳波である。リラックスした覚醒状態で閉眼すると後頭葉の視覚野周辺にα波が出現し、開眼や精神活動を行うとα波は抑制される(α波の抑制、α blocking)。α波は脳波の基本律動として臨床的にも重要であり、正常成人の覚醒安静閉眼時に最も典型的に観察される。
✗ 2. 誤り
b 波は a 波より周波数が低い。
β波(14〜30Hz)はα波(8〜13Hz)より周波数が高い。β波は精神活動時や覚醒時に前頭部を中心に出現する低振幅の速波である。
✗ 3. 誤り
d 波は運動時に多く現れる。
δ波(0.5〜4Hz)は深い睡眠(徐波睡眠)時に出現する最も周波数の低い脳波であり、運動時に多く出現するものではない。
✗ 4. 誤り
深睡眠時には脳波は平坦となる。
深睡眠時には高振幅のδ波(徐波)が出現し、脳波は平坦にならない。脳波が平坦になるのは脳死の所見である。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 脳波の周波数順は「δ→θ→α→β」で低い順に並ぶ。「デルタ(d)→シータ(θ)→アルファ(α)→ベータ(β)」=アルファベット逆順と覚える。状態は「深い睡眠→浅い睡眠→安静閉眼→精神活動」と覚醒度が上がる順に対応する。
  • 関連知識: 脳波検査はてんかん診断に不可欠であり、てんかん発作時には棘波(spike)や棘徐波複合が出現する。レム睡眠時には低振幅速波(覚醒時に類似)が出現し、筋電図は著明に低下する。脳死判定では30分以上の平坦脳波が基準の一つである。
  • よくある間違い: 「深睡眠=脳波が平坦」と誤解しやすいが、深睡眠ではδ波という高振幅の徐波が活発に出現する。脳波が平坦になるのは脳死である。
  • 教科書では「c.新皮質」の範囲に該当する。
比較表
脳波 周波数 出現する状態 出現部位
δ波 0.5〜4Hz 深い睡眠(徐波睡眠) 広範囲
θ波 4〜8Hz 浅い睡眠・眠気 側頭部
α波 8〜13Hz 安静覚醒閉眼時 後頭部
β波 14〜30Hz 精神活動・覚醒時 前頭部
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題40|脳波について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題40|脳波について正しいのはどれか。
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