
この図の解説
図は胸髄の横断面を見せ、脊髄に出入りする線維を色分けしている。まず注目するのは、後方の後根(青)から情報が入り、前方の前根(赤)から命令が出ていく左右対称の流れである。後根には脊髄神経節がふくらみとして描かれ、末梢からの体性感覚を運ぶ感覚神経の細胞体がここに置かれる。前根からは前角の運動ニューロンが軸索を出し、骨格筋へ運動指令を送る。これがベル・マジャンディーの法則「前は運動、後は感覚」である。灰白質はH字形で、後角に感覚の二次ニューロン、前角に運動細胞、両者の中間の側角に自律神経細胞が並ぶ。図右側は側角から前根を通って出た交感神経が交感神経幹へ入り、汗腺・血管・立毛筋や内臓へ向かう経路と、後根を通って戻る内臓求心性神経を示している。
学習の要点
- ベル・マジャンディーの法則:前根=遠心性(運動・自律の出力)、後根=求心性(感覚の入力)。灰白質でも前角=運動、後角=感覚、側角=自律と対応する。
- 覚え方のコツ:「前は出る・後は入る」。前(腹側)から命令が出て、後(背側)から感覚が入ると、断面図の色(前=赤/後=青)で結びつける。
- 関連知識:前角には骨格筋を支配するα運動ニューロン(前角細胞)、後角には脊髄視床路などの感覚二次ニューロン、側角にはT1〜L2/3の交感神経節前ニューロンとS2〜S4の副交感神経(骨盤内臓神経)の節前ニューロンが存在する。
- よくある間違い:交感神経を「後根」から出ると誤りやすい。交感神経は内臓を動かす遠心性なので前根を通る。逆に内臓求心性神経は感覚なので後根を通る。
- 臨床応用:後根や脊髄神経節の障害では感覚脱失、前根の障害では弛緩性の運動麻痺が出るなど、障害部位から症状を推定できる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
骨格筋を支配するα運動ニューロン(前角細胞)が存在するのは、脊髄灰白質の( )である。
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答え: 前角
S2〜S4の側角に節前ニューロンをもち、前根を通って出る自律神経は( )神経である。
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答え: 副交感
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。