
この図の解説
この図でまず見るべきは、左端の「下垂体前葉ホルモン」を挟むように、中央と右に「放出ホルモン」「抑制ホルモン」が並ぶ三列構造である。視床下部の神経細胞は前葉ホルモンを直接つくるのではなく、その分泌を促す放出ホルモンと、分泌を抑える抑制ホルモンを出す。これらは下垂体門脈により前葉へ運ばれ、前葉ホルモンの分泌量を調節する。各行を横に読むと、成長ホルモン(GH)には放出ホルモン(GRH)と抑制ホルモン(GIH)、プロラクチン(PRL)にはPRHとPIHが両方あるのに対し、TSH・ACTH・性腺刺激ホルモン(FSH/LH)の抑制ホルモン欄は「—」で空欄になっている点に注目したい。つまり抑制ホルモンをもつのはGHとPRLの2つだけで、残りは放出ホルモンのみで調節される。最下段ではFSHとLHが1つのGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)にまとめて対応している。
学習の要点
- 視床下部は放出ホルモンと抑制ホルモンを出し、下垂体門脈を介して前葉ホルモンの分泌を調節する。前葉ホルモンそのものを視床下部がつくるわけではない。
- 覚え方のコツ: 抑制ホルモン(GIH・PIH)をもつのはGHとPRLの2つだけ。「成長とプロラクチンだけブレーキ付き」と覚える。
- 関連知識: FSHとLHはまとめてGnRH1本で調節される。放出ホルモンは語尾がRH(releasing hormone)、抑制ホルモンは語尾がIH(inhibiting hormone)。
- よくある間違い: TSHの放出ホルモンをTSHRHとしない。正しくはTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)。ACTHはCRH、GH放出はGRHと略号が独特。
- 臨床応用: 下垂体後葉ホルモン(オキシトシン・バゾプレッシン)は視床下部の神経核で直接つくられ後葉へ下降するもので、この放出/抑制ホルモンの表とは調節経路が異なる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を促す視床下部ホルモンは( )である。
答えを見る
答え: TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。