学習トップ理由で解く 生理学第8章 ▸ B. ホルモンの種類とその働き / Q0520

理由で解く 生理学

Q0520 内分泌

出典:あマ指 第21回(2013) 問題43
問題
健常成人で下垂体前葉のACTH分泌が亢進した際にみられないのはどれか。
選択肢
1 副腎アンドロゲン分泌の増加
2 視床下部ACTH 放出ホルモン(CRH)分泌の増加
3 電解質コルチコイド分泌の増加
4 糖質コルチコイド分泌の増加
解答
正解2(視床下部ACTH 放出ホルモン(CRH)分泌の増加)
解説
✗ 1.
副腎アンドロゲン分泌の増加
✗ 正しい。ACTH亢進は副腎皮質網状帯を刺激し、副腎アンドロゲン(DHEA等)の分泌を増加させる。
✓ 2. 誤り
視床下部ACTH 放出ホルモン(CRH)分泌の増加
ACTH分泌が亢進すると、その結果としてコルチゾールの血中濃度が上昇する。上昇したコルチゾールは視床下部に負のフィードバックをかけ、CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)の分泌を抑制する。したがって健常成人ではCRH分泌は増加ではなく抑制される。この負のフィードバック機構がHPA軸(視床下部-下垂体-副腎皮質軸)の恒常性維持の基本である。
✗ 3.
電解質コルチコイド分泌の増加
✗ 正しい。ACTH亢進は副腎皮質球状帯にも作用し、電解質コルチコイド(アルドステロン等)の分泌をある程度増加させる。ただしアルドステロンの主な調節はレニン-アンジオテンシン系である。
✗ 4.
糖質コルチコイド分泌の増加
✗ 正しい。ACTH亢進は副腎皮質束状帯を直接刺激し、糖質コルチコイド(コルチゾール)の分泌を最も顕著に増加させる。これがACTHの主たる作用である。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 「フィードバック=ブレーキ」。コルチゾールが増えすぎないよう、上位のCRHにブレーキがかかる仕組みである。
  • 関連知識: クッシング病(下垂体ACTH産生腫瘍)ではACTHが自律的に分泌されるため、負のフィードバックが効かなくなる。デキサメタゾン抑制試験はこの原理を利用した診断法である。
  • よくある間違い: 「ACTH↑→CRH↑」と正のフィードバックと勘違いすること。内分泌系の基本調節は負のフィードバックであり、下流ホルモンが上昇すれば上流は抑制される。
  • 教科書では「g.副腎のホルモン」の範囲に該当する。
比較表
副腎皮質の層 分泌ホルモン ACTH亢進時の反応
球状帯 アルドステロン(電解質コルチコイド) やや増加
束状帯 コルチゾール(糖質コルチコイド) 著明に増加
網状帯 副腎アンドロゲン(DHEA等) 増加
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題43|健常成人で下垂体前葉のACTH分泌が亢進した際にみられないのはどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題43|健常成人で下垂体前葉のACTH分泌が亢進した際にみられないのはどれか。
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