
この図の解説
図は上段が日中、下段が夜のメラトニン分泌調節を並べている。まず注目したいのは、網膜に入った光の情報がどこへ届くかである。図では光の一部が視床下部の視交叉上核に入力し、そこから視床下部脊髄路→側角→交感神経幹→上頚神経節をへて松果体につながる経路が描かれている。上段(日中)では強い光が目に入ると、この交感神経の経路を介して松果体からのメラトニン分泌に抑制(−)がかかる。下段(夜)では周囲が暗くなり抑制が解除されて、メラトニンが分泌される(+)。松果体は間脳の後方に突出する小体で、その松果体細胞からメラトニンが分泌される。分泌は夜に高く明け方に低くなる24時間周期の日内リズムを示し、朝起き夜寝るリズム、すなわち体内時計を調節する。図右下の吹き出しにあるように、夜しっかり分泌させるには日中に光を浴びることが大切、という向きの矢印関係を読み取っておきたい。
学習の要点
- メラトニンは松果体の松果体細胞から分泌され、分泌は夜に高く明け方に低い24時間周期の日内リズムを示す。
- 覚え方のコツ: 「暗いと出る、明るいと止まる」。夜(暗)=分泌、日中(明)=抑制。眠りを誘う夜のホルモンとセットで覚える。
- 関連知識: 松果体は第3脳室の後上壁から後方に突出するあずき粒大の小体で、7歳前後が最も発達がよく年齢とともに退行し、成人では脳砂(カルシウム沈着)がX線でみられる。
- よくある間違い: 松果体の松果体細胞(メラトニン)を、甲状腺の傍濾胞細胞(カルシトニン)や副腎髄質のクロム親性細胞(アドレナリン)と取り違えない。
- 臨床応用: 日内リズムが乱れると睡眠リズムが崩れやすい。定時に起きて朝に光を浴びることが、夜のメラトニン分泌を保つ生活指導の基本となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
メラトニンの分泌が夜に高く明け方に低くなるような、約24時間周期でくり返されるリズムを( )という。
答えを見る
答え: 日内リズム
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。