
この図の解説
この図は、リンパ性器官を「第一次」と「第二次」の2群に色分けした一覧である。まず左端の分類列に注目したい。第一次リンパ性器官は上段に胸腺と骨髄の2つだけが置かれ、ここはリンパ球そのものを生み出し成熟させる「工場」にあたる。胸腺ではTリンパ球が、骨髄では造血幹細胞から赤血球・白血球・血小板が分化し、Bリンパ球もここで生まれる(骨髄由来リンパ球)。下段の第二次リンパ性器官には、リンパ節・脾臓・扁桃・腸管のリンパ小節・虫垂が並ぶ。これらは工場で作られたリンパ球が実際に配置され、異物や病原体と出会って免疫応答を行なう「現場」である。右列の特徴を読むと、リンパ節はリンパ管の途中の関所、脾臓は赤脾髄で古い赤血球を壊し白脾髄でリンパ球を集め、扁桃はワルダイエルの咽頭輪をつくる、という役割分担が見えてくる。第二次リンパ性器官はすべて内部にリンパ小節を含む点が共通の目印になる。
学習の要点
- 第一次リンパ性器官は胸腺と骨髄の2つのみ。リンパ球を「作り・育てる」中枢で、胸腺はTリンパ球の成熟、骨髄はBリンパ球の産生を担う(Bは各リンパ性器官のリンパ小節で成熟する)。
- 覚え方のコツ: 「一次=胸腺・骨髄(作る)/二次=節・脾・扁桃・腸・虫垂(働く)」。一次は2つだけと数で押さえる。
- 関連知識: 脾臓は赤脾髄で古い赤血球を破壊し、白脾髄(リンパ小節)でBリンパ球を増生する二役の臓器。扁桃は咽頭を輪状に囲みワルダイエルの咽頭輪を形成する。
- よくある間違い: 胸腺を第二次に、脾臓や扁桃を第一次に入れる取り違え。また胸腺は第一次だが内部にリンパ小節を認めない点に注意(リンパ小節共通は第二次の特徴)。
- 臨床応用: 回腸の集合リンパ小節(パイエル板)は腸チフスの好発部位。所属リンパ節の腫脹はがん転移や感染の指標として触診で評価される。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
口蓋扁桃・咽頭扁桃・舌扁桃・耳管扁桃が咽頭内腔を輪状に取り囲む配置を、( )の咽頭輪と呼ぶ。空欄に入る語は何か。
答えを見る
答え: ワルダイエル
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。