
この図の解説
図はホルモンが血流に乗って全身をめぐる一本道として描かれ、左から右へ「レニン→アンジオテンシンⅠ→アンジオテンシンⅡ→アルドステロン」と反応が進む順を追える。まず注目すべきは左上の枠、遠位尿細管の緻密斑が濾液流量の低下を感知し、隣接する輸入細動脈壁の傍糸球体細胞がレニンを分泌する起点だ。血管の下には肝臓が描かれ、そこから供給されるアンジオテンシノーゲンがレニンによってアンジオテンシンⅠとなる。中央の肺ではアンジオテンシン変換酵素(ACE)がⅠをⅡへ変える。アンジオテンシンⅡは右上の血管を収縮させて血圧を上げると同時に、右の副腎からアルドステロンを分泌させ、腎集合管でのNa⁺と水の再吸収を促す。これらは体液量を増やし、結果として糸球体濾過量が回復する。尿量減少という一つの入力から血圧上昇までが連鎖する流れを、図の左右方向の矢印で追うのがこの図の見どころである。
学習の要点
- 尿量(濾液流量)の低下を遠位尿細管の緻密斑が感知し、輸入細動脈壁の傍糸球体細胞がレニンを分泌する、という起点を最初に押さえる
- 覚え方のコツ:「肝でシノーゲン、肺でACE、副腎でアルドステロン」と臓器と担当をセットで暗記すると反応の順が崩れない
- 関連知識: アルドステロンは副腎(皮質)から出るホルモンで、集合管でのNa⁺と水の再吸収を促し体液量を増やす
- よくある間違い: レニンはホルモンを分解する酵素ではなく、血圧を上げ原尿産生を増やす方向に働く分泌物である。血圧を下げるのではない
- 臨床応用: ACEの働きを抑える薬(ACE阻害薬)はアンジオテンシンⅡの生成を妨げ、血圧を下げる目的で用いられる
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
肺に存在する( )は、アンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡへ変換する酵素である。( )に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: アンジオテンシン変換酵素(ACE)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。