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理由で解く 生理学

Q0426 排泄

出典:あマ指 第20回(2012) 問題41
問題
糸球体で、ろ過のみが行われ尿細管でほとんど再吸収も分泌もされない物質はどれか。
選択肢
1 ブドウ糖
2 クレアチニン
3 パラアミノ馬尿酸
4 尿素
解答
正解2(クレアチニン)
解説

尿は「糸球体でろ過し、尿細管で必要なものを再吸収し、不要なものを分泌する」という三つの過程でつくられる。この三つのうちろ過だけを受け、尿細管でほとんど手を加えられないのがクレアチニンなので2が正解となる。各肢について「糸球体でろ過されたあと、尿細管で再吸収されるか・分泌されるか」を確かめ、そのどちらも受けないものを選べばよい。

尿量は、糸球体でろ過される量(糸球体濾過量)と尿細管での再吸収でおおむね決まり、尿に出てくる成分はこれに尿細管からの分泌が加わって決まる。したがって、ろ過された後に尿細管でほとんど再吸収も分泌もされない物質があれば、その物質が尿へ出てくる量はろ過された量をそのまま映すことになり、腎がどれだけろ過できているかの物差しに使える。クレアチニンがまさにその物質で、クレアチニン・クリアランス(一定時間に排泄されたクレアチニン量から、血液が何mL分きれいにされたかを換算した値)は腎機能の指標として用いられる。これに対し、ブドウ糖のように「からだに必要だから取り戻す」物質は再吸収され、パラアミノ馬尿酸のように「尿細管から積極的に捨てられる」物質は分泌される。尿素は水とともに一部が受動的に再吸収されるため、ろ過された量がそのまま尿へ出るわけではない。物質名を暗記するのではなく、「取り戻すのか・捨て足すのか・素通りか」で仕分けると忘れにくい。

✗ 1. 誤り
ブドウ糖
ブドウ糖は糸球体で自由にろ過されるが、からだのエネルギー源として必要なため近位尿細管でほとんどが再吸収され、健常では尿にほとんど出ない。再吸収を強く受ける物質であり、「ろ過のみ」には当たらない。
✓ 2. 正しい
クレアチニン
クレアチニンは糸球体でろ過された後、尿細管でほとんど再吸収も分泌もされずにそのまま尿へ出ていく。そのため尿中排泄量が糸球体でのろ過量を反映し、クレアチニン・クリアランスが腎機能の指標として用いられる。これが本問の答えとなる。
✗ 3. 誤り
パラアミノ馬尿酸
パラアミノ馬尿酸はろ過されるだけでなく、尿細管から尿中へ積極的に分泌される。腎を流れる血液からほぼ一回で取り除かれるため腎血漿流量の測定に使われる物質であり、「分泌もされない」には当たらない。
✗ 4. 誤り
尿素
尿素は蛋白質代謝の終末産物で糸球体でろ過されるが、尿細管で水が再吸収されるのに伴って一部が受動的に再吸収される。ろ過された量がそのまま尿に出るわけではないため、ろ過のみが行われる物質とはいえない。
ポイント
  • 尿は糸球体でのろ過、尿細管での再吸収、尿細管からの分泌の三つの過程でつくられ、尿量は糸球体濾過量と再吸収でおおむね決まる(尿の成分にはさらに分泌が加わる)。
  • クレアチニンはろ過のみを受け、尿細管でほとんど再吸収も分泌もされないため、ろ過の量をそのまま反映する。
  • クレアチニン・クリアランスは腎機能をみる指標として用いられる。
  • ブドウ糖は近位尿細管でほとんどが再吸収され、健常では尿に出ない。
  • パラアミノ馬尿酸は尿細管から分泌されるため、腎血漿流量の測定に用いられる。
  • 重要用語: 糸球体濾過, 尿細管再吸収, 尿細管分泌, クレアチニン・クリアランス を正確に理解しておくこと。
比較表
物質糸球体でのろ過尿細管での扱いおさえどころ
クレアチニンされるほとんど再吸収も分泌もされないろ過量を反映し、クレアチニン・クリアランスが腎機能の指標になる
ブドウ糖される近位尿細管でほとんどが再吸収される健常では尿に出ない
パラアミノ馬尿酸される尿細管から分泌される腎血漿流量の測定に用いられる
尿素される水の再吸収に伴い一部が受動的に再吸収される蛋白質代謝の終末産物
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題41|糸球体で、ろ過のみが行われ尿細管でほとんど再吸収も分泌もされない物質はどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題41|糸球体で、ろ過のみが行われ尿細管でほとんど再吸収も分泌もされない物質はどれか。
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