学習トップ理由で解く 生理学第7章 ▸ C. 尿生成 / Q0422

理由で解く 生理学

Q0422 排泄

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題42
問題
尿量が減少する要因はどれか。
選択肢
1 血漿浸透圧の上昇
2 糸球体血圧の上昇
3 腎血漿流量の増加
4 有効ろ過圧の上昇
解答
正解1(血漿浸透圧の上昇)
解説
✓ 1. 正しい
血漿浸透圧の上昇
血漿浸透圧が上昇すると、視床下部の浸透圧受容器がこれを感知し、下垂体後葉からADH(抗利尿ホルモン、バゾプレッシン)の分泌が増加する。ADHは腎集合管の管腔側膜にアクアポリン2(AQP2)水チャネルを挿入させ、水の再吸収を促進する。その結果、尿は濃縮されて尿量が減少する。同時に口渇中枢も刺激されて飲水行動が促進され、浸透圧の正常化が図られる。
✗ 2. 誤り
糸球体血圧の上昇
糸球体血圧の上昇は有効ろ過圧を高め、糸球体ろ過量(GFR)を増加させるため、尿量は増加する方向に働く。
✗ 3. 誤り
腎血漿流量の増加
腎血漿流量の増加はろ過に供される血漿量が増えるため、GFRが増加し尿量は増加する方向に働く。
✗ 4. 誤り
有効ろ過圧の上昇
有効ろ過圧の上昇はGFRを直接的に増加させるため、尿量は増加する方向に働く。有効ろ過圧=糸球体血圧−(膠質浸透圧+ボーマン嚢内圧)である。
ポイント
  • 血漿浸透圧の上昇はADH分泌を増加させ、集合管での水再吸収が促進されて尿量が減少する。
  • 覚え方のコツ: 尿量に影響する因子は「ろ過量を増やす要因(糸球体血圧↑、腎血漿流量↑、有効ろ過圧↑)=尿量増加」と「再吸収を増やす要因(ADH↑、アルドステロン↑)=尿量減少」に二分して整理する。
  • 関連知識: 有効ろ過圧の計算式(糸球体血圧45−膠質浸透圧25−ボーマン嚢内圧10=10mmHg)は頻出事項である。また、ADHによる水再吸収の機序はAQP2の挿入であり、腎性尿崩症ではこの機序が障害される。
  • よくある間違い: 「血漿浸透圧の上昇→尿で水分を排出して浸透圧を下げる→尿量増加」と誤って推論しがちだが、実際には逆で、ADH分泌増加により水を体内に保持して浸透圧を下げる方向に働く。
  • 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
比較表
要因 尿量への影響 作用機序
血漿浸透圧上昇 減少 ADH分泌↑→集合管で水再吸収↑
糸球体血圧上昇 増加 有効ろ過圧↑→GFR↑
腎血漿流量増加 増加 ろ過に供される血漿量↑→GFR↑
有効ろ過圧上昇 増加 GFR直接増加
ADH分泌増加 減少 集合管で水再吸収↑
アルドステロン分泌増加 減少 Na⁺再吸収↑→水も随伴再吸収
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題42|尿量が減少する要因はどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題42|尿量が減少する要因はどれか。
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