学習トップ理由で解く 生理学第7章 ▸ C. 尿生成 / Q0420

理由で解く 生理学

Q0420 排泄

出典:あマ指 第15回(2007) 問題41
問題
暑さに対する気候順化について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 汗腺の働きが高まる。
2 汗に含まれる塩分濃度が低下する。
3 皮膚血管が収縮する。
4 尿量が減少する。
解答
正解3(皮膚血管が収縮する。)
解説
✗ 1.
汗腺の働きが高まる。
✗ 正しい。暑熱順化により汗腺(エクリン汗腺)の機能が向上し、発汗能力が増大する。汗の分泌量が増加し、より効率的に気化熱による放熱が行われるようになる。
✗ 2.
汗に含まれる塩分濃度が低下する。
✗ 正しい。暑熱順化が進むとアルドステロンの作用により汗腺の導管部でのNa⁺再吸収が増加し、汗に含まれる塩分濃度が低下する。これにより体内のNa⁺喪失を最小限に抑えることができる。
✓ 3. 誤り
皮膚血管が収縮する。
暑さへの気候順化では、放熱効率を高めるために皮膚血管は拡張する(収縮ではない)。皮膚血管の拡張により体表面への血流量が増加し、対流・輻射・伝導による放熱が促進される。暑熱順化では循環血漿量も増加するため、皮膚血管拡張による血圧低下への耐性が向上する。「収縮」は寒冷環境での反応であり、暑熱環境とは逆である。
✗ 4.
尿量が減少する。
✗ 正しい。暑熱環境では発汗による水分喪失が増加するため、バゾプレッシン(ADH)やアルドステロンの分泌が増加し、腎臓での水・Na⁺の再吸収が促進されて尿量が減少する。
ポイント
  • 暑熱順化では皮膚血管は拡張する(収縮ではない)。拡張により放熱効率が向上する。
  • 覚え方のコツ: 暑熱順化の4大変化は「汗腺パワーアップ、汗の塩分ダウン、皮膚血管拡張、尿量ダウン」と覚える。すべて「暑さに適応して体を守る方向」に変化する。
  • 関連知識: 暑熱順化には約1〜2週間を要し、体温調節と体液調節の両方の適応が関わる。順化により循環血漿量が増加するのも重要な変化である。
  • よくある間違い: 「皮膚血管が収縮する」は寒冷順化・寒冷環境での反応であり、暑熱順化と混同しやすい。暑い→放熱したい→血管拡張、寒い→放熱を防ぐ→血管収縮と対比して覚える。
  • 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
比較表
暑熱順化の変化 方向 生理的意義
汗腺の機能 向上 発汗量増加→気化熱による放熱促進
汗の塩分濃度 低下 Na⁺喪失の防止
皮膚血管 拡張 体表面からの放熱促進
循環血漿量 増加 血圧維持、熱失神予防
尿量 減少 ADH・アルドステロンによる体液保持
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題41|暑さに対する気候順化について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題41|暑さに対する気候順化について誤っている記述はどれか。
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