学習トップ理由で解く 生理学第7章 ▸ C. 尿生成 / Q0400

理由で解く 生理学

Q0400 排泄

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題41
問題
健康成人の尿細管再吸収が100%近い物質はどれか。
選択肢
1 尿素
2 尿酸
3 ブドウ糖
4 カリウムイオン
解答
正解3(ブドウ糖)
解説
✗ 1. 誤り
尿素
尿素は糸球体でろ過された後、約50%が再吸収され、残りの約50%は尿中に排泄される。100%近い再吸収ではない。
✗ 2. 誤り
尿酸
尿酸は近位尿細管で再吸収と分泌の両方を受ける。最終的に約10%が尿中に排泄されるため、100%近い再吸収ではない。
✓ 3. 正しい
ブドウ糖
ブドウ糖(グルコース)は糸球体で自由にろ過された後、近位尿細管の管腔側にあるNa+-グルコース共輸送体(SGLT2が約90%、SGLT1が約10%を担う)により能動的に再吸収され、正常血糖値の範囲ではほぼ100%が再吸収される。このため健康成人の尿中にはブドウ糖はほとんど検出されない。血糖値が腎閾値(約170mg/dL)を超えるとSGLTの輸送極量(Tm)を超え、尿糖が出現する。
✗ 4. 誤り
カリウムイオン
K+は近位尿細管で約65%が再吸収されるが、遠位尿細管ではアルドステロンの作用で分泌が行われ、最終的な排泄量が調節される。100%近い再吸収ではない。
ポイント
  • ブドウ糖とアミノ酸は近位尿細管でほぼ100%再吸収される代表的物質であり、正常尿中には検出されない。
  • 覚え方のコツ: 「ほぼ100%再吸収=ブドウ糖・アミノ酸」「約99%再吸収=水」「約50%再吸収=尿素」と再吸収率を数字で覚える。
  • 関連知識: 糖尿病では血糖値が腎閾値を超えるため尿糖が出現する。SGLT2阻害薬は近年の糖尿病治療薬で、あえてブドウ糖の再吸収を阻害して尿中排泄を促す。
  • よくある間違い: 尿素を「100%再吸収」と思いがちだが、尿素は約50%しか再吸収されず、正常尿中に最も多い窒素代謝物である。
  • 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
比較表
物質 再吸収率 再吸収部位 輸送機構
ブドウ糖 ほぼ100% 近位尿細管 Na+-グルコース共輸送(SGLT)
アミノ酸 ほぼ100% 近位尿細管 Na+共輸送(能動輸送)
約99% 近位尿細管〜集合管 浸透圧差(ADH依存)
Na+ 約99% 全尿細管 Na+-K+ ATPase(能動輸送)
尿素 約50% 近位尿細管・集合管 受動拡散
クレアチニン ほぼ0% 再吸収されない
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題41|健康成人の尿細管再吸収が100%近い物質はどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題41|健康成人の尿細管再吸収が100%近い物質はどれか。
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