
この図の解説
この図は、吸気時(左)と呼気時(右)で胸郭と横隔膜がどう動くかを対比している。左の吸気では外肋間筋が収縮して肋骨を引き上げ、同時にドーム状の横隔膜が収縮して下がる。この二つの動きで胸腔が上下・前後に広がり、胸膜腔の陰圧が高まって肺がふくらみ、空気が入る。右の呼気では外肋間筋が弛緩し、横隔膜もゆるんでドーム状に戻る(点線は吸気時に前へ張り出した胸郭の輪郭)。安静時の呼息は筋の能動的な収縮ではなく、広がった胸郭と肺自身の弾性で自然に縮むことで起こる点が要点。下の表は、吸息を担う主呼吸筋(横隔膜=腹式、外肋間筋=胸式)と補助筋、そして安静呼息と積極的呼息の担い手を整理している。
学習の要点
- 吸息は横隔膜と外肋間筋の収縮による能動運動、安静呼息はそれらの弛緩と肺の弾性による受動運動である。
- 覚え方のコツ: 横隔膜が下がる=腹式、肋骨が上がる=胸式。「下げて腹・上げて胸」で主呼吸筋2つをセット化。
- 関連知識: 横隔膜を支配するのは頸髄由来の横隔神経で、縦隔を通って下行する。安静呼息を支える「肺の弾性」は胸膜腔の陰圧とセットで、気胸で陰圧が失われると肺は縮む。
- よくある間違い: 内肋間筋を吸息筋と誤りやすい。内肋間筋は肋骨を下げる働きで、積極的(努力性)呼息を担う。
- 臨床応用: 呼吸困難時は胸鎖乳突筋・斜角筋群など補助吸息筋を動員するため、頸部の筋緊張が触知しやすい。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
横隔膜が収縮して下降することで行われる呼吸を( )呼吸、外肋間筋が収縮して肋骨を引き上げることで行われる呼吸を( )呼吸という。空欄に入る語の組を答えよ。
答えを見る
答え: 腹式・胸式
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。