
この図の解説
オレンジ色に着色された細胞が大食細胞(マクロファージ)で、表面から無数の突起(偽足)が伸びているのが見どころです。この偽足で死んだ細胞や細菌などの異物を包み込み、細胞内へ取り込みます。もとは血液中を流れる白血球の一種である単球で、血管外へ遊走すると大食細胞になります。取り込んだ異物は細胞質に多数含まれるリソソームの酵素で分解(細胞内消化)され、処理されます。さらに、砕いた異物の断片をヘルパーT細胞(Tリンパ球)に示して、どんな敵が来たかを教える抗原提示という役割も担い、これがきっかけで抗体産生へとつながります。線維性結合組織の細網線維がつくる網の目に多く点在し、生体防御の第一線で働きます。
学習の要点
- 大食細胞は血液中の単球が血管外に遊走したもので、旺盛な食作用と抗原提示を担う。
- 覚え方のコツ: 「単球→マクロファージ、食べて→見せる(食作用+抗原提示)」。破骨細胞・小膠細胞も同じ単球由来の仲間。
- 関連知識: 取り込んだ異物を分解するのはゴルジ装置由来のリソソーム。抗原提示を受けたTリンパ球がBリンパ球を形質細胞に分化させ、形質細胞が抗体を産生する。
- よくある間違い: 抗体そのものを産生するのは大食細胞ではなく形質細胞。大食細胞は「情報を教える(抗原提示)」役。
- 臨床応用: 炎症部位に集まって組織を掃除するため、慢性炎症や創傷治癒の局所で数を増す。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
大食細胞は処理した異物の断片を( )に提示し、どんな異物かを教える。この働きを抗原提示という。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: ヘルパーT細胞(Tリンパ球)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。