
この図の解説
図はアメーバ状の大食細胞(マクロファージ)が異物を取り込む一連の流れを、6コマで追ったものである。まず注目すべきは細胞の輪郭が刻々と変わっている点で、これは偽足を出したり引っ込めたりする細胞運動を表す。第2〜3コマで細胞は青い異物に向かって偽足を伸ばし、周囲から盛り上がって包み込む。取り囲まれた異物は膜に包まれた食胞となって細胞内へ入る(第4コマ)。細胞質内に散らばる小さな粒がリソソームで、加水分解酵素を多数含む小胞である。第5コマで食胞とリソソームが融合し、酵素が注入されて内容物が分解される。これが細胞内消化であり、消化しきれなかった残渣は第6コマで細胞外へ排出される。飲作用が小さな物質を膜のくぼみで取り込むのに対し、食作用は死んだ細胞や細菌のような大きな異物を丸ごと包み込む点が図の主題である。
学習の要点
- 食作用とは、細菌や死んだ細胞などの大きな異物を細胞膜で包み込み、食胞として細胞内へ丸ごと取り入れる働きである。
- 覚え方のコツ: 「大きい異物=食(食作用)/小さい物質=飲(飲作用)」と対にして、包む大きさで区別する。
- 関連知識: 加水分解酵素を含むリソソームが食胞と融合して細胞内消化を担う。リソソームはゴルジ装置でつくられる。
- 関連知識: 大食細胞(マクロファージ)は血液中の単球が組織へ出たもので、好中球も強い食作用をもつ。
- よくある間違い: 食作用に使われる消化酵素はミトコンドリアではなくリソソームが供給する。エネルギー産生の場はミトコンドリア。
- 臨床応用: 大食細胞は取り込んだ異物の種類をリンパ球に教える抗原提示を行い、抗体産生のきっかけをつくる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
異物を取り込むとき、大きな異物は細胞膜で包み込む食作用で、溶けた小さな物質は膜の一部が落ち込む( )で取り入れられる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 飲作用
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。