
この図の解説
この図はリボソームがmRNAの遺伝情報を読み取ってタンパク質をつくる「翻訳」の流れを、①→②→③の順で示している。まず注目したいのは、大サブユニットと小サブユニットの2つが上下からmRNAをはさみ込んでいる点である。mRNA上には塩基が並び、その3文字ひと組が「コドン」(図ではAUG・UUU・CGA)にあたる。そこへ、コドンと相補的な「アンチコドン」(UAC・AAA・GCU)を先端に持つtRNAが、それぞれ決まったアミノ酸(Met・Phe・Arg)を運んでくる。コドンひとつにつき対応するアミノ酸がひとつ決まるため、運ばれたアミノ酸は順につながってペプチド鎖となり、長く伸びてタンパク質が完成する。mRNAの塩基はA・G・C・Uの4文字で、DNAのT(チミン)がU(ウラシル)に置き換わっている点も図で確認しておきたい。
学習の要点
- 翻訳とは、リボソームでmRNAのコドンに従いアミノ酸を並べてタンパク質を合成する過程である。
- 覚え方のコツ: コドン(mRNA)とアンチコドン(tRNA)は「向かい合わせで相補的」。AとU、GとCのペアで読む。
- 関連知識: mRNAは核内で転写され細胞質のリボソームへ、tRNAはアミノ酸を運搬、rRNAはリボソーム本体を構成。RNAではDNAのチミンがウラシルに替わる。
- よくある間違い: アミノ酸を運ぶのはtRNAであり、mRNAではない。またリボソームがmRNAを合成すると混同しやすいが、mRNAはDNAから転写されてくる。
- 臨床応用: 抗菌薬の一部は細菌リボソームでの翻訳を阻害して増殖を抑える。ヒトと細菌でリボソームの型が異なることが選択的な作用の基盤となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
mRNA上に並ぶ3文字の塩基配列を( A )といい、これに相補的に結合するtRNA側の3文字の配列を( B )という。
答えを見る
答え: A:コドン B:アンチコドン
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。