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理由で解く 作業療法士

QO61P019 作業療法治療学

出典:第61回作業療法士国家試験(2026)午後 問19
問題
80歳の女性。2年前から物忘れが目立つようになった。徐々に睡眠中に大きな声を出したり、手足をばたつかせたりすることが多くなった。最近になって動作が緩慢になっている。1か月前から「知らない人が家の中にいる」と言うようになり、家族に連れられて精神科を受診した。この女性と家族への指導で適切なのはどれか。
選択肢
1 運動を控えるように説明する。
2 やったことがない趣味に取り組む。
3 立ち上がり時のふらつきに注意する。
4 日付や時刻を気にしないようにする。
5 知らない人が誰なのか何度も話し合う。
解答
正解3(立ち上がり時のふらつきに注意する。)
解説

認知機能低下+レム睡眠行動障害+パーキンソニズム+幻視はLewy小体型認知症の中核。自律神経障害・起立性低血圧・パーキンソニズムで転倒しやすく、立ち上がり時のふらつき注意が重要。

本例は物忘れ(認知機能低下)、睡眠中の大声・体動(レム睡眠行動障害)、動作緩慢(パーキンソニズム)、具体的な幻視(『知らない人がいる』)を示し、Lewy小体型認知症(DLB)が強く疑われる。DLBでは起立性低血圧などの自律神経障害やパーキンソニズムにより転倒リスクが高く、立ち上がり時のふらつきへの注意(ゆっくり動く・手すり利用・環境整備)が安全管理上最も重要で、選択肢3が適切である。運動の制限はかえって廃用や機能低下を招き、慣れない趣味は混乱を助長、見当識に無頓着になる指導や幻視の真偽を繰り返し問い詰める対応も不適切である。

✗ 1. 誤り
運動を控えるように説明する。
運動を控えると廃用・パーキンソニズム悪化を招く。安全に配慮しつつ活動は維持する
✗ 2. 誤り
やったことがない趣味に取り組む。
慣れない新しい趣味は認知機能低下のある本人に混乱・不安を与えやすい
✓ 3. 正しい
立ち上がり時のふらつきに注意する。
自律神経障害・起立性低血圧・パーキンソニズムで転倒しやすく、立ち上がり時の注意が最重要
✗ 4. 誤り
日付や時刻を気にしないようにする。
日付・時刻を気にしないのは見当識維持に逆行。手がかりを示し見当識を支えるべき
✗ 5. 誤り
知らない人が誰なのか何度も話し合う。
幻視の真偽を何度も問い詰めると不安・混乱を強める。否定せず安心を優先する
ポイント
  • DLB4徴=認知機能変動・幻視・パーキンソニズム・レム睡眠行動障害
  • 自律神経障害・起立性低血圧で転倒リスク高
  • 立ち上がり時のふらつき・転倒予防が重要
比較表
Lewy小体型認知症の特徴的所見
所見本例での該当
進行性の認知機能低下2年前からの物忘れ
繰り返す具体的な幻視「知らない人がいる」
パーキンソニズム動作緩慢
レム睡眠行動障害睡眠中の大声・体動
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