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理由で解く 作業療法士

QO61A007 作業療法治療学

出典:第61回作業療法士国家試験(2026)午前 問7
問題
30歳の女性。右上腕切断標準断端。上腕義手は差し込み式ソケット、8字ハーネス、複式コントロールケーブルシステム、随意開き式能動フックで構成されている。適合判定の際、肘90度屈曲位で手先具が完全には開かなかった。原因で最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 フックのゴムが弱い。
2 ケーブルハウジングが短すぎる。
3 残存肢の肩甲帯の筋力が低下している。
4 前腕支持部のトリミングが不良である。
5 切断肢の肩関節の回旋可動域に制限がある。
解答
正解3(残存肢の肩甲帯の筋力が低下している。)
解説

能動義手の手先具開大は肩甲帯外転(前方突出)・屈曲でケーブルを引く力が源。肘屈曲位では所要の張力が増すため、肩甲帯筋力低下では手先具が完全に開かない。

随意開き式能動フックは、8字ハーネスを介して肩甲帯の外転(前方突出)や肩関節屈曲でコントロールケーブルを牽引し、その張力でフックを開く。複式コントロールケーブルシステムでは同じ操作で肘の屈曲と手先具操作を担うため、肘を90度屈曲位に保持した状態で手先具を開くにはより大きなケーブル張力が必要になる。したがって、そのケーブルを引く力源である残存肢の肩甲帯筋力が低下していると、肘屈曲位で手先具が完全に開かない現象が生じる。フックのゴムが弱ければむしろ開きやすくなるため逆であり、ハウジングが短すぎたり肩の回旋制限があると別の適合不良を来すが、『肘屈曲位で開ききらない』の主因としては操作力源である肩甲帯筋力低下が最も合致する。

✗ 1. 誤り
フックのゴムが弱い。
閉じる力が弱まり、むしろ開きやすくなるため逆
✗ 2. 誤り
ケーブルハウジングが短すぎる。
ケーブル経路の問題は生じるが本現象の主因ではない
✓ 3. 正しい
残存肢の肩甲帯の筋力が低下している。
手先具開大の操作力源が不足し、肘屈曲位で開ききらない
✗ 4. 誤り
前腕支持部のトリミングが不良である。
装着感や可動には影響するが開大不能の主因ではない
✗ 5. 誤り
切断肢の肩関節の回旋可動域に制限がある。
肘屈曲位での手先具開大力とは直結しない
ポイント
  • 能動フックの開大力源=肩甲帯外転・肩屈曲によるケーブル牽引
  • 複式ケーブルは肘屈曲位で手先具操作に大きな張力を要する
  • 肩甲帯筋力低下で肘屈曲位の手先具開大が不十分になる
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