学習トップ理由で解く 作業療法士第11章 ▸ 実地 / QO61A001

理由で解く 作業療法士

QO61A001 作業療法評価学

出典:第61回作業療法士国家試験(2026)午前 問1
問題
Danielsらの徒手筋力テストの段階5及び4の検査で正しいのはどれか。ただし、矢印は検査者が抵抗をかける方向を示す。
図
選択肢
1 肩屈曲
2 肩甲骨内転と下方回旋
3 肘屈曲(腕橈骨筋)
4 膝伸展
5 足底屈
解答
正解2(2)
解説

段階5・4は抗重力位で全可動域を動かしたうえで、運動と正反対の方向の抵抗を遠位のテコに加えて判定する。肢位・抵抗部位・抵抗方向のどこが崩れているかを見る。

Danielsらの徒手筋力テストでは、段階5と4はいずれも重力に抗して全可動域を完了できることが前提で、最大抵抗に耐えられるかで5と4を分ける。抵抗は原則として検査する筋の停止より遠位のテコの末端に、目的とする運動と正反対の方向へ加える。肩甲骨内転と下方回旋(菱形筋)は、腹臥位で手を腰の上に置いて肩を伸展・内旋し肘を屈曲させ、挙上した上腕の遠位を持って肩甲骨が外転・上方回旋する方向へ押すのが基準で、図の肢位・抵抗部位・抵抗方向はすべてこれに合致している。肩屈曲の図は抵抗が上腕近位、すなわち肩のすぐ下に加えられており、抵抗は肘の直上=上腕遠位部に加えなければならない。肘屈曲(腕橈骨筋)の図は前腕が中間位に保たれておらず、これでは腕橈骨筋を選択的に働かせられない。膝伸展の図は抵抗が下腿の中央付近にかかり、しかも検者が足部を下から支えており、足関節直上に抵抗を加えて大腿を固定するという原則から外れる。足底屈は段階5・4を腹臥位の徒手抵抗では判定できず、立位での片脚踵上げの回数(5=25回、4=24〜10回)で判定する。よって正しいのは肩甲骨内転と下方回旋の図である。

✗ 1. 誤り
肩屈曲
抵抗を上腕近位(肩の直下)に加えている。抵抗は肘の直上=上腕遠位部に伸展方向へ加える
✓ 2. 正しい
肩甲骨内転と下方回旋
腹臥位で手を腰に置き、上腕遠位を肩甲骨の外転・上方回旋方向へ押す菱形筋のテストで基準どおり
✗ 3. 誤り
肘屈曲(腕橈骨筋)
前腕が中間位に保たれていない。腕橈骨筋は母指を上にした前腕中間位で肘を屈曲させて検査する
✗ 4. 誤り
膝伸展
抵抗が下腿中央にかかり足部も支えている。足関節直上に抵抗を加え、もう一方の手で大腿を固定する
✗ 5. 誤り
足底屈
段階5・4は徒手抵抗では判定できない。立位での片脚踵上げの回数(5=25回)で判定する
ポイント
  • 段階5・4は抗重力位で全可動域が前提、抵抗の可否で5/4を区別
  • 抵抗は遠位のテコ末端に、運動と逆方向へ加える
  • 検査肢位・抵抗部位・抵抗方向の3点で図の正誤を判断
比較表
MMTの段階と検査条件
段階重力可動域抵抗
5(Normal)抗重力位全可動域最大抵抗に抗する
4(Good)抗重力位全可動域中等度抵抗に抗する
3(Fair)抗重力位全可動域抵抗なしで可
2(Poor)除重力位全可動域重力を除けば可
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