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理由で解く 作業療法士

QO60P016 作業療法評価学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午後 問16
問題
30歳の女性。事務職。元来仕事熱心で上司の信頼が厚かった。指導していた新人の部下が突然退職し、自分の指導方針が誤っていたためではないかと自責の念にかられた。その後、抑うつ気分、意欲低下、食欲低下および睡眠障害が出現し、仕事上のミスが増えたため、精神科を受診した。うつ病と診断され、希死念慮も認められたため入院となった。入院2週目に作業療法が開始された。作業療法開始時に収集すべき情報で適切でないのはどれか。
選択肢
1 睡眠の状態
2 日中の過ごし方
3 病気に対する認識
4 疲労感
5 復職の希望時期
解答
正解5(復職の希望時期)
解説

希死念慮を伴ううつ病の急性期。休養と回復状態の把握が優先で、復職時期の話題は自責・焦燥を強め時期尚早のため不適切。

入院2週目の作業療法開始時は、うつ病の急性期を脱しつつある回復初期であり、この段階では十分な休養と心身の負担軽減が最優先である。睡眠・日中の過ごし方・疲労感は活動量と休養状態を把握してプログラムの負荷を調整するために必要で、病識(病気に対する認識)は治療への構えや無理をしていないかの評価に不可欠である。一方、復職の希望時期を早期に尋ねることは、まだ自責感や自己評価の低下が強い患者に「早く戻らねば」という焦りや「戻れないのでは」という無力感・自責を惹起し、症状を悪化させ希死念慮を強めるおそれがある。復職に関する検討は病状が安定し回復が進んだ段階(リワーク期)で行うべきで、開始時に収集すべき情報として適切でない。

✗ 1. 正しい
睡眠の状態
回復とプログラム負荷調整の基本情報で、収集は適切(誤=収集すべき)
✗ 2. 正しい
日中の過ごし方
活動量・休養状況の把握に必要で、収集は適切
✗ 3. 正しい
病気に対する認識
病識・無理の有無の把握に必要で、収集は適切
✗ 4. 正しい
疲労感
易疲労性は活動耐性の指標で、負荷設定に必要、収集は適切
✓ 5. 誤り
復職の希望時期
急性期に焦り・自責を強め時期尚早、開始時に収集すべきでない(正解=不適切)
ポイント
  • うつ病急性期は休養最優先
  • 復職の話題は回復期(リワーク)以降
  • 焦り・自責を強める働きかけは避ける
比較表
うつ病の回復段階と作業療法の関わり
段階関わり方
急性期休養確保・低負荷、励まし過ぎない
回復初期活動量・睡眠・疲労の把握、負荷調整
回復期生活リズム再建・活動拡大
復職準備期復職時期の検討・リワーク
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